空港にて

空港

高橋

ふうっ、久々の日本だぜ。

颯爽と空港に降り立った高橋。

高橋

・・・シンガポールに比べると、この国の空気はカラっとしてやがる。

高橋

さて・・・と。
ボーンのアニキがいる場所は、栃木の須原だったか。

高橋

しかし、まさかボーンのアニキがこのオレに連絡をよこすなんてな。

フッ、ハイパーWebデザイナーもとい、ハイパーWebディレクター高橋の成長した姿を見せてやるぜ・・・!



その頃、須原では

須原の館内

ボーン

約束の3日目だ。
サツキにムツミ、お前たちの考えた記事のアイデアを聞かせてもらおう。

サツキ

は、はい!

ヴェロニカ

今回、ふたりに考えてもらったアイデアのテーマは「須原の温泉地としての魅力を、幅広いユーザーに気付いてもらうための記事」だったわね。

ムツミ

(・・・へっ、ボーンのオッサンはオレのことを低く評価してやがるみてーだが、今日のオレのアイデアを聞けば舌を巻くはずだぜ)

ボーンを前にしたムツミとサツキ。 ムツミはどこか自信ありげで、サツキは不安げにドキドキしている

ボーン

まずは、ムツミ、お前のアイデアから聞くとしよう。

ムツミ

おっ、オレから発表するってわけね。
いいぜ。

ムツミ

オレの考えた記事のアイデアはこれさ!

『息を飲むほどに美しい!国内の美しすぎる温泉旅館写真まとめ』

息を飲むほどに美しい!国内の美しすぎる温泉旅館写真まとめ

ボーン

・・・。

ヴェロニカ

温泉旅館の写真のまとめ記事ね。

ムツミ

ふふふ。
それだけじゃねえさ。
国内の温泉旅館の写真をまとめた記事の中で、須原の旅館の美しい写真も入れる。
そうすれば、ほかの旅館の写真を“引き立て役”として、須原の素晴らしさを伝えることができるだろ?

ヴェロニカ

引き立て役・・・。

ムツミ

あっ、言葉は悪かったかもしれねーが、もちろん、ほかの旅館の写真も須原に負けないくらいに美しい写真をチョイスするぜ。
そうすれば、写真で旅行先を選ぶ人たちにはブックマークしたい記事になるだろ?

サツキ

ムツミの記事のアイデア、素敵ね。
私、写真を見るのが好きだから、たしかに、そんな記事があれば見てみたいわ。

ムツミ

へっへー。
ちなみに、この記事は「温泉旅館」っていうビッグなワードで上位表示するつもりなんだ。
「温泉旅館」というキーワードは競合がすげー多いから、上位表示はかなり厳しいとは思ったんだけど、この記事のようにとびきり美しい写真がたくさん並んでいれば、温泉旅館を探す人にとって、ぜひ見てみたい記事になるだろ?
「温泉旅館」というキーワードで検索する人たちは、特定の旅館を探そうとしているわけではなく、“国内にどんな温泉旅館があるのか?”を知りたがっている、さらにいえば、“国内でぜひ泊まってみたい素敵な温泉旅館”を探しているわけだからな。

サツキ

たしかに・・・!

ムツミ

検索意図に合った情報で論理をカバーし、写真の美しさで感情を揺さぶるってわけさ!

サツキ

すごいっ!

ムツミ

(へへへ・・・。
決まったな・・・!)

ボーン

・・・ちなみに、その美しい写真とやらはどうやって集めるんだ?

ムツミ

いい質問、サンキュ!
それもちゃんと考えてますよ~っと。

全国の温泉旅館のサイトや、温泉愛好家のブログから、写真を『引用』して使わせてもらうのさ。

ヴェロニカ

!?

ボーン

・・・。

サツキ

引用・・・?

ムツミ

ああ、そうさ。
前に見つけた「TRAVEL UP」ってメディアがあっただろ?
あのメディアではたくさんのキレイな写真が使われていた。
で、どうやってあんな写真を集めているんだろと不思議になって調べてみたら、どのページも『引用』という方法を使って写真を掲載していたのさ。

TRAVEL UPの記事のアップ。「引用」という表記があり、写真が掲載されている

サツキ

そうなのね。
その『引用』って方法を使えば、他人のブログの写真を掲載してもいいんだ。

ムツミ

そうみたいだぜ。
「TRAVEL UP」以外にも、いくつかのキュレーションサイトで同じような方法で写真が掲載されていたからな。

サツキ

キュレーションサイト?

ヴェロニカ

いわゆる“まとめサイト”のことね。

説明しよう!

「キュレーションサイト(通称:まとめサイト)」とは、インターネット上にあるコンテンツ(文章、画像、動画など)をまとめたサイトのことである。

コンテンツをまとめる人を「キュレーター」と呼び、大規模なキュレーションサイトには大勢のキュレーターが存在し、多くの“まとめ記事”が作られている。

ちなみに、キュレーターという言葉は、元々はアートの世界で使われている言葉であり、美術館などで開かれる展示会などを企画する人のことを指している。

アートの世界のキュレーターもWebの世界のキュレーターも、基本的には“世に眠る良質なコンテンツをより多くの人に知ってもらいたい”という思いのもとで活動をしているが、Webの場合には、自身が関わるキュレーションサイトにアクセスを集めることで手に入る“広告収入”のために活動しているキュレーターも多い。

サツキ

あっ!そういうホームページよく見かけます!

ヴェロニカ

そうよ、今、キュレーションサイトが増えているの。
さっきムツミさんも言ったとおり、「TRAVEL UP」というサイトもキュレーションサイトのひとつね。

サツキ

(キュレーションサイトか・・・。
でも、アクセスを集めるために写真を引用された人たちって、どういう気持ちなのかしら・・・。
自分たちが一生懸命に撮影した写真を勝手に使われているわけだし・・・)

ボーン

・・・では、サツキのアイデアも聞こう。

ムツミ

(あれ・・・?
オレのアイデアに対する反応ってそれだけ・・・?)

サツキ

え、えと・・・。
私は「マインドマップ」を使って記事のアイデアを考えてみました。

ヴェロニカ

あら!
そうなのね。

サツキ

は、はい。
私、企画とかを考えることが苦手なので、自分のアイデアをじっくり掘り下げて考えられるマインドマップという方法が合っている気がしたんです。

ボーンさんと初めて会ったとき、ボーンさんが作られたマインドマップを見て、「こんな方法もあるんだ!」って感動して・・・。

見よう見まねなので、自分のマインドマップの作り方が正しいかどうかはわからないんですが・・・。

ヴェロニカ

大丈夫よ。
マインドマップの使い方は人それぞれだから。

サツキ

ありがとうございます・・・!

サツキ

で、では、お見せします。
これが私の考えたアイデアです。

サツキのマインドマップ

ヴェロニカ

・・・しっかりまとまっているじゃない!

ボーン

・・・。

サツキ

(ドキドキ・・・)

ボーン

・・・サツキ、よく考えたな。
いいアイデアだ。

サツキ

・・・えっ・・・!
あ、ありがとうございます・・・!!

ムツミ

(あれっ!?
アネキのアイデアが褒められてる・・・。
ちょっ、オ、オレのアイデアはどうなんだよ・・・!?)

ヴェロニカ

サツキさんのアイデアは、須原で働く人たちに、あえて須原以外の温泉地の中からオススメの旅館を教えてもらうというものね。

サツキ

は、はいっ・・・!

ヴェロニカ

着眼点が素敵だわ。

ボーン

なぜこのアイデアに至ったのか、お前の口から詳しい説明を聞くとしよう。

サツキ

は、はいっ・・・!

え、えと・・・。
私は須原の地で旅館を経営していますが、お客様と同じように旅行をすることが大好きです。
多分、私だけでなく、旅館の仕事に関わるほかの人たちも、旅行が好きだと思っています。

そう考えたとき、旅館の仕事に関わる人たちが、プロならではの視点で全国の旅行先の楽しみ方について話すのっておもしろいかもと思ったんです。

ヴェロニカ

なるほどね。

サツキ

たとえば、“須原の女将が選んだ「有馬温泉」のオススメ旅館情報”や、“須原の旅館の支配人が考える「別府温泉」のオススメ旅行プラン”というような記事があったら、とても読んでみたいなって。

普通は、有馬温泉に関する記事だったら、有馬温泉に関わりのある人たちがその魅力を語ることが多いと思うんですが、あえて外部の人がオススメを語ることで、客観的な視点が加わって、その地で働く人たちが気付いていない魅力を発信できるんじゃないかな、って思ったんです。

ヴェロニカ

そして、もし、その記事が有馬温泉の情報を知りたい人たちにとって有益な内容になれば、「有馬温泉」というキーワードで上位表示できると思ったわけね。
「有馬温泉」というキーワードの月間検索回数は135,000回だから、もし上位表示できたら、すごいアクセスが期待できるわ。

キーワードツール

サツキ

はい・・・!

そして、その記事の中で、「有馬温泉もいいけれど、須原温泉もいいよ」といったちょっとした宣伝が入れば、須原に興味をもってくれる人が増えると思いました。

ヴェロニカ

いいアイデアだわ。
ふふふ、まさか、一般的なワードではなく、ブランドワードでの上位表示を狙おうとするなんてね。

サツキさん、コンテンツプランナーの素質があるわ。
マインドマップを使ってしっかり掘り下げて考えただけあるわね。

サツキ

あ、ありがとうございます・・・!
今回、マインドマップという方法を試してみて、物事を深く掘りさげればアイデアって浮かびやすくなるんだって気付けました。

ヴェロニカ

ふふふ、そこにたどり着けたのなら、大きな成長ね。

ムツミ

(ちょっ・・・、なんでヴェロニカさんもボーンのオッサンもアネキのアイデアばかり褒めてるんだよ・・・!?
アネキの記事なんて、須原にいる人たちに「須原以外だと、どの温泉が好きですか?」っていちいち聞いて回る必要があるわけだから、作るのが大変じゃねーか・・・)



ボーン

・・・さて。
ふたりの記事のアイデアを聞かせてもらったわけだが、あらためて感想を言わせてもらおう。

ムツミ

・・・!

サツキ

(ドキドキ・・・!)

ボーン

サツキのアイデアは合格だ。

しかし、ムツミ、お前のアイデアはダメだ。

ムツミ

え!!?
な、なんでだよ!!?

ボーン

論理的思考は“なぜ?”だけを考えるものではない。
“どうなるか?”も考える必要があるからだ。

ムツミ

“どうなるか?”も考える・・・!?

ボーン

お前は自分の考えたコンテンツが、公開後に“どうなるか?”をしっかり考えたか?

ムツミ

ど、どうなるかっていわれても・・・。
そりゃ、検索結果で上位表示してアクセスが集まって、須原の知名度が上がってだな・・・。

ボーン

甘い。
お前のコンテンツは集客以前に大きな問題をはらんでいる。

ムツミ

大きな問題・・・?!

ボーン

お前は世の中のコンテンツに対する愛が足りない。

ムツミ

なっ・・・!!?

サツキ

“コンテンツに対する愛が足りない・・・!?”

ボーンに名指しされ驚くムツミ

ムツミ

ど、どうしてだよ!?
オレの考えた記事は、読み手が「読みたい!」と思う記事のはずだぜ!?
読み手への愛は十分なはずだぜ!?
一体、オレの記事の何がいけねえんだ!?

ボーン

お前はさっき、外部のサイトから写真を『引用』すると言ったな。
その引用はどのようにして行うんだ?

ムツミ

どのようにして行うって聞かれても・・・。

「TRAVEL UP」ってサイトみたいに、ページに掲載した写真の下に“出典”のリンクを貼るつもりだけどな・・・。

ボーン

・・・ちなみにその引用は、写真の著作者にきちんと許可をとって行うのか?

ムツミ

えっ・・・?

ちょ、ちょっと待ってくれよ・・・。
いちいち許可なんてとっていたら大変じゃねーか。
出典さえ明記していれば、連絡なんてしなくても大丈夫じゃねーのか?

ボーン

やはりな。

ムツミ、お前は、“コンテンツの作り手への敬意”に欠けている。

ムツミ

作り手への敬意・・・!?

ヴェロニカ

ムツミさん、よく考えてみて。

たとえば、あなたが自分のブログに掲載するための写真を撮影したとするわね。

もし、その写真を撮影するために、たくさんの時間をかけて準備をしたり、経費を使っていたとしたら、自分の写真が勝手によそのWebメディアに掲載されたらどう思うかしら?

ムツミ

・・・。

ヴェロニカ

いわゆるWebメディアの多くは、記事に集まったアクセスによって広告収入を得ている。
もし、ムツミさんの写真がどこかのメディアに無断で使われるということは、相手のアクセスアップ、ひいては、相手の売上げのために使われたってことになるのよ。

ムツミ

・・・!!

ヴェロニカ

もちろん、自分の写真をより多くの人に見てもらえるという意味では、無断で掲載されたとしても、それはそれでメリットがあるのかもしれない。

でもね、モラルのないWebメディアの場合、その写真を誰が撮影したかなんて積極的に宣伝してくれないし、Webメディアに訪れる人たちも、その写真を誰が撮影したかなんて興味をもたないわ。

だって、この「TRAVEL UP」のサイトを見てみて。
こんな小さくて不親切なリンク、一体、誰が気付くと思う?

小さくて不親切なリンクの記事

ムツミ

・・・た、たしかに・・・。

サツキ

こんな場所にリンクがあったんですね・・・。

ヴェロニカ

そうよ。
言われないと気付かないような場所にあるリンク。

もし、「TRAVEL UP」がコンテンツの作り手への敬意にあふれているサイトなら、こんなリンクの設置の仕方はしないはずよ。

ムツミ

・・・。

ボーン

世の中にあるコンテンツは、作り手の汗と努力の結晶だ。

ムツミ。
プロのミュージシャンを目指して自身の作品を発表してきたお前なら、作り手の気持ちがわかるはずだ。

クリエイターの努力について語るボーン

ムツミ

・・・あ、ああ・・・。

もし、自分の作った曲がどこかで勝手に使われたら、それはそれでうれしいかもしれないけれど、曲のタイトルや自分の名前が伏せられていたとしたら、モヤモヤした気持ちになるな・・・。

サツキ

ムツミ・・・。

ボーン

・・・ちなみに、誤解のないように言っておくが、『引用』という行為自体は、一定の条件内であれば法的に認められた行為だ。
「著作権法」の第32条にも次のような条文がある。

公表された著作物は、引用して利用することができる。
この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。

ムツミ

“引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない”・・・!?

正当な範囲内って、どんな範囲を指すんだ・・・?

ボーン

カンタンにいえば、自分のコンテンツ内に他者のコンテンツを引用する際は、コンテンツの主従関係が逆転してはいけない
たとえば、引用だけで構成されているようなコンテンツは正当な範囲内とはいえんかもな。

ムツミ

えっ・・・!?
そ、それって、引用だらけで構成されているキュレーションサイトとかってどうなるんだ?
法的にNGってことか?

ヴェロニカ

私たちは法律の専門家じゃないから明言はできないけれど、おそらくはグレーね。
キュレーションサイトにある“まとめ記事”のすべてが、引用の要件をすべて満たしているようには思えないから・・・。

ボーン

もし、どうしても誰かのコンテンツを引用したいのであれば、作り手の心を不快にさせずに引用することが理想だといえる。

ムツミ

作り手の心を不快にさせずに引用する・・・。

ヴェロニカ

たとえば、もし、ムツミさんが誰かから「ムツミさんの写真がとても好きなので、自分のブログで引用させていただいてよろしいですか?」という丁寧な連絡を受けたら、無断で掲載されるよりも心証的にはいいでしょ?

ムツミ

たしかに・・・。
そんなふうに問合せがあったら、イヤな気はしねえな・・・。

ボーン

つまり、それが“作り手への敬意”だ。

ムツミ

“作り手への敬意”・・・。

ボーン

今回、おまえたちが立ち上げるオウンドメディアは、須原のブランディングもひとつの目的だ。
そのブランディングにおいては、今後、クリエイターやアーティストたちの力を借りることも大切になるだろう。
そうなったとき、おまえたちのメディアが彼らの作り手としての思いを踏みにじるような運営をしていたら、彼らは力を貸してくれると思うか?

法的にOKかNGというのは社会の枠組みの中では大切だが、人間として生きていく上でもっと大切なことは、“他人への敬意”だ。

ムツミ

!!

ボーン

今後、おまえも誰かのコンテンツを引用するときがくるかもしれない。
ただ、そのときは、その引用を当然のものとして考えるのではなく、コンテンツの作り手への敬意、すなわち“愛”をもって引用するようにしろ。

ムツミ

・・・お、おう・・・!!

ムツミ

・・・ん?
ちょっと待てよ。

以前、うちで書いた「栃木の温泉旅館の選び方」って記事、ほかの旅館の写真を引用していたよな・・・。
あれって、大丈夫だったのかよ?

ブラッシュアップ後の記事

ボーン

あの記事か。
あの記事に掲載している写真はすべて、サツキが各旅館の許可を取ってくれていたぞ。

ムツミ

えっ・・・!!?
そ、そうだったのか・・・!!

サツキ

あ、どの写真もそれぞれの旅館の方々が大切にされている写真だから・・・。
勝手に掲載なんてしちゃダメだと思って・・・。
ムツミに伝えるのを忘れていてゴメンなさい。

ヴェロニカ

フフフ、どの旅館も「自分の旅館の宣伝になるのなら」って快くOKしてくれたのよね。

しかも、ふたりとも、気付いてた?
あの記事が公開されたとき、そこで紹介されていた一部の旅館さんがFacebookなどであの記事をシェアしてくれていたのよ。

サツキ

えっ・・・!!?

ムツミ

全然気付かなかった・・・。

ヴェロニカ

相手のコンテンツに敬意を払っていれば、予想もつかないプレゼントがもらえることもあるの。
覚えておきなさい。

サツキ ムツミ

はいっ・・・!!!



ボーン

よし、『引用』に関する話はこれくらいにしておく。
今から、第一弾の記事を決めるぞ。

ボーン

第一弾は・・・。

サツキ

(ドキドキ・・・)

ムツミ

(・・・)

ボーン

第一弾は・・・サツキ。
お前のアイデアでいく。

サツキ

私のアイデア・・・!

ボーン

お前のコンテンツは、愛にあふれている。
須原の旅館で働く人々がほかの温泉地を紹介するというコンセプトは、須原以外の温泉地の人たちにとってもうれしいだろう。たくさんの人たちをポジティブに巻き込むことができる。
また、読者としても、記事が広告的に映らず、身構えることなく記事を読むことができる。

サツキ

あ、ありがとうございます・・・!

ボーン

ムツミ、異論はないな?

ムツミ

お、おう・・・!

須原の館内

ボーン

よし、記事のアイデアは決まった。
・・・次はその記事を格納する容れ物、すなわち、“サイト全体のプランニング”に入る。

サツキ

サイト全体のプランニング・・・?

ボーン

サイト名やキャッチコピーの策定、デザイン、CMSや解析ツールの選定など、オウンドメディアの運営に関わるすべての準備を行う。

ムツミ

た、大変だな・・・。

サツキ

(ボーンさんがこれだけ熱心に教えてくださるってことは、今回のオウンドメディアってとっても大事なんだわ。
・・・ただ、私たちが日々の業務の合間にちゃんと運営できるかがちょっと不安だけれど・・・)

ヴェロニカ

・・・サツキさん、大丈夫?
不安そうな顔をしているけど。

サツキ

あっ、い、いえいえ!
だ、大丈夫です!

ボーン

・・・心配するな。
オウンドメディア運営がお前たちの負担とならないよう、“強力な助っ人”を呼んでおいた。

ムツミ

えっ・・・!?

サツキ

強力な助っ人・・・?

ボーン

・・・10時53分。
そろそろ到着する時間だな。

ガラララッ!

高橋(シルエット)

ボーンのアニキ!!
久々だな!!

サツキ ムツミ

!?

ヴェロニカ

高橋君!

高橋参上

高橋

ヴェロニカさん、炎の男、高橋。
ただ今、凱旋しました。

ボーン

高橋、よく来てくれたな。

高橋

ボーンのアニキからの頼みだものな。
断れるわけないさ。

ボーン

シンガポールの案件は片付いたのか?

高橋

へへっ、向こうを発つ前にきちんと納品してきたさ。

ヴェロニカ

フフフ、世界を股にかける男になったわね。

高橋

いえいえ、オレはまだおふたりの足元にも及ばないですよ。

サツキ

あの・・・ボーンさん、そちらの方は?

ボーン

この男の名は「高橋」
オレが以前コンサルティングをしていた家具屋に勤めていた元Webデザイナーだ。

サツキ

ボーンさんが以前コンサルティングをされた家具屋のWebデザイナーさん・・・?

高橋

フフッ、Webデザイナーもとい、今はWebディレクターですけどね。

ムツミ

(なんだこの人・・・、黒のベストがなんともいえない独特のセンスだが、妙な自信を感じさせる・・・)

高橋

・・・しかし、ボーンのアニキから連絡をもらったときはビックリしたぜ。

ヴェロニカ

あら、私たちも高橋君がフリーのWebディレクターになったって聞いたときはビックリしたわよ。

高橋

フフフ。

実はオレ、以前、ボーンのアニキのコンサルティングを受けてから、Webマーケティングに強い興味をもち始めたんです。

元はWebデザイナーだったオレですが、Webデザインの仕事はWebマーケティングという大きな括りの中の一部。
自分の仕事をもう一段上のレイヤーで見てみたいと感じ、Webディレクターへの転身を決めたんです。

あ、ちなみに、「マツオカ」のサイトの管理は今もオレが請け負ってますんで、安心してください。

説明しよう!

「マツオカ」とは、以前、ボーンがコンサルティングを行った、都内のオーダー家具店のことである。

当時、マツオカは、ガイルマーケティングという悪徳SEO会社による間違ったSEO施策によって、検索エンジンのペナルティを受け、Webからの集客が激減していた。
そんなマツオカのサイトを、ボーンは自身の頭脳と強靱な肉体を使い、当時Webデザイナーだった高橋たちとともに再生させたのだ。

前回の戦いの回想

詳しくは、前作「沈黙のWebマーケティング」で確認してほしい。

ボーン

・・・そうか。

高橋

・・・めぐみさんも元気だぜ。

ボーンのアニキ、めぐみさんとはあれから会ってねーのか?

めぐみとの思い出

ボーン

・・・ああ。

ヴェロニカ

高橋くん、ボーンはね・・・。

高橋

・・・ヴェロニカさん、わかってますよ。

ボーンのアニキ、あんた、めぐみさんをあのときのような危険な目に遭わせないために、あえて距離を置いているんだな。

ボーン

・・・。

高橋

あんたのことだ、まあ、そんなことだと思ってたぜ。

・・・ちなみにオレ、めぐみさんからあんたへの伝言を預かってきた。

ボーン

・・・!

高橋

“いつでも顔を見せに来てください”ってな。

ヴェロニカ

(めぐみさん・・・)

ボーン

・・・めぐみが元気なのであれば、それでいい。

高橋

・・・フッ、あんたらしいな。



高橋

さて・・・と。
ボーンのアニキ、たしか今回オレが手伝うのは、この「みやび屋」って旅館のオウンドメディアの立ち上げだったよな。

ボーン

ああ、そうだ。

ヴェロニカ

オウンドメディアの方向性に関しては3日前にメールで送っておいたけれど、プランニングは進められそう?

高橋

・・・フフフ、任せてください。

すぐにでも立ち上げられるよう、前もってある程度プランニングしてきましたから。

ボーン

・・・ほう。

高橋

・・・さあ、ふたりとも、新生「高橋裕太」の仕事を見てくださいよ。

我がカバンの中より出でし企画書たちよ。
これが・・・Webディレクター高橋の・・・

Webプランニングだッ・・・!!

高橋

はぁああああああ・・・!!!

プランニングシート!!

プランニングシート!!

サツキ

きゃあああっ!!

ムツミ

くっ!!
なんだこの風は・・・!?
風とともに無数の紙が空を舞っているッ・・・!!

ヴェロニカ

これは・・・、プリントアウトした企画書・・・!?

高橋

うおおおおおお・・・!!!

プランニングシート!!

プランニングシート!!

プランニングシート!!

ムツミ

紙が多すぎて前が見えないっ・・・!!

高橋

うおおおおおおおお!!!



高橋

(・・・はあっ、はあっ・・・。
・・・決まった・・・!
ボーンのアニキに憧れて編み出したオレの究極技・・・!
勢いのある企画は勢いのある提案とともに成立する・・・!)

ヴェロニカ

・・・た、高橋くん・・・。

高橋

ボーン

・・・お前、紙と一緒に自分のノートPCも投げてるぞ。

高橋

え・・・?

壊れたノートPC

高橋

ぎゃあああああああああ!!!!!
オレのノートPCが・・・!!!

24回ローンで買ったのに・・・!!!

ヴェロニカ

高橋くん・・・。

ボーン

高橋、紙は大切にするものだ。
ノートPCもな。

サツキ

・・・。
(世界を股にかけているのに24回ローンなんだ・・・)

ムツミ

(・・・だ、大丈夫かな、この人)



そして、10分後

ボーンとヴェロニカ、ムツミとサツキと高橋。5人とも、高橋が触っているムツミのノートPCの画面を見ている

高橋

さてと・・・。
気を取り直して、オウンドメディアのプランニングについて解説していきますかね。

サツキ

あ、さっきバラまかれた企画書は見なくていいんですか?

高橋

あ、大丈夫です。
今から画面に映すPDFファイルのほうが見やすいですから。

ムツミ

(・・・え・・・じゃあさっきの技は一体・・・)

高橋

それにしても、なんかすいませんね、私のノートPCが壊れてしまったがために、こちらのPCをお借りしてしまって。

サツキ

い、いえ、大丈夫ですよ。

ムツミ

・・・あ、ちなみに、そのPCのキーボード、諸事情によりめっちゃ重いので気を付けてください。

特製の特厚キーボード

高橋

うん・・・?
これはたしかに重そ・・・エンターキーをクリッ・・・ふぬぬぬぬぬぬぬ!!!

カチッ

高橋

(はあっ、はあっ、はあっ・・・)

高橋

で、では、解説を始めます。

私が考えたプランニングは、以下の7つのステップに当てはめてお話していきます。

オウンドメディアの立ち上げに必要な7つのステップ

  1. コンセプトの決定
  2. CMSの選定
  3. レンタルサーバーの選定
  4. サイトデザイン
  5. 記事のプランニング
  6. 記事の作成
  7. 解析ツールの導入&運用
高橋

おふたりはオウンドメディアの運営ははじめてだと聞いています。
おふたりが現実的に運営にどれだけの力を注げるかは置いておいて、まずはオウンドメディア運営で大切なことを知ってもらえればと思います。
ひとまずはオレの話を最後まで聞いてください。

サツキ

わかりました・・・!

1.サイトのコンセプトの決定

まずは、今回のオウンドメディア全体のコンセプトを考えてみました。

  1. どんな目的で立ち上げるのか?
    →須原の温泉地のことを多くの人に知ってもらう
    (須原の認知度アップ、ブランディング)
  2. どんな記事を投稿していくのか?
    →須原の温泉地の魅力に気づいてもらえるような記事を投下する
  3. どのように運営していくのか?
    →月に2~4本の記事を投稿していく
  4. どのように集客していくのか?
    →検索エンジンからの集客(SEO)に力を入れる、インフルエンサーを巻き込み、彼らの拡散力にも期待する
  5. どんなキャッチコピーにするのか?
    →日本国内の上質な旅を再発見するメディア
  6. どんなサイトタイトルにするのか?
    →みやび旅
サツキ

みやび旅・・・素敵なタイトルですね・・・!

高橋

フフフ、ありがとうございます。
この「みやび旅」という4文字の中には、いろいろな思いがこめられています。

まず、「みやび旅」の「みやび」は「みやび屋」という屋号から拝借しました。
みやび(雅)という言葉には“上品で優美なこと”という意味がありますよね。

この言葉をタイトルに用いることで、メディアのコンセプトを“日本国内の上質な旅を再発見するメディア”としようと思っています。

ムツミ

それ、なんかカッコイイな。

高橋

フフフ、「みやび旅」の記事を読めば、旅行がもっと上質になる、そんな思いを込めたコンセプトです。

高橋

ちなみに、先ほどあげたリストの中に“どのように集客していくのか?”という項目がありましたよね。

サツキ

はい、ありました。

高橋

実は、オウンドメディアの立ち上げでもっとも大事なのが、その“集客”です。

なぜなら、“どんなによいコンテンツも、見てもらわなければ意味がない”からです。

サツキ

!!

高橋

とくに今回のオウンドメディアの場合、その目的が須原の認知度のアップである以上、できるだけ多くの人に記事を読んでもらうことが必要になります。

それを実現するためには、SEOを意識するだけでなく、いわゆる“初期露出経路”も意識しておく必要があるんです。

ムツミ

初期露出経路・・・?

高橋

ええ。
最初に記事をどのように露出させるか?ということです。

すでにファンのついているメディアであれば、とくに何もしなくても、記事を見に来てもらえますが、新参のメディアはそうはいきません。
よって、最初のうちは、できるだけ多くの人を“巻き込む”ことを意識するといいんです。

サツキ

巻き込む・・・?

高橋

はい。
たとえば、どこかの旅館を紹介した記事を書けば、その旅館で働く人が自分のFacebookやTwitterなどでその記事を拡散してくれるかもしれません。
また、旅行系ブロガーさんたちを記事で紹介すれば、彼らは、自分たちが紹介されたということを自分たちのブログなどで宣伝してくれるかもしれません。

ムツミ

なるほど・・・!
そうか・・・そういう視点があるんだ・・・!

サツキ

(私の考えたコンテンツだと、須原で働く人たちを巻き込めるわ・・・!)

高橋

ちなみに、「インフルエンサー」を巻き込むことができれば、かなりの拡散が期待できます。

サツキ

インフルエンサー・・・?

高橋

はい、インフルエンサー(influencer)、すなわち、“ネットで影響力のある人”たちのことです。
彼らをうまく巻き込むことができれば、オウンドメディアは短期間で有名になる可能性があるんです。

ムツミ

そんな人たちをどうやって巻き込んでいくんだ・・・?

高橋

それは記事のアイデア次第ということになりますね。
ただ、どんなアイデアを考えるとしても、誰かを巻き込もうとするのであれば、相手に「敬意」をもって接するコンテンツを考える必要はあるでしょう。

ムツミ

(敬意・・・って、ボーンのおっさんが言ってた言葉と同じだな・・・)

高橋

誰しも、自分が紹介される場合には、敬意をもって紹介されるほうがうれしいですからね。
影響力のある人ほど、自分がどのように見られているかに敏感なものなんです。

ムツミ

なるほど・・・。

高橋

もし、インフルエンサーをうまく巻き込むことができれば、ソーシャルメディア上に記事が爆発的に拡散します。
その結果、アクセスが殺到するだけでなく、SEOにおいても高い効果を得ることができるでしょう。

サツキ

SEOにおいて高い効果・・・?

高橋

はい。
ソーシャルメディアでの拡散を起点として、外部からの「リンク」が自然に集まるんです。

サツキ

リンク・・・?

高橋

あれっ?
リンクの話は知らないんですか?

ボーン

このふたりには、コンテンツの中身を突き詰める方法しか話していなかったからな。
「みやび屋」は元々ドメインが強かったために、外部からリンクを集めることを考えずとも、ドメインの力を使っての上位表示が期待できた。

リンクの話はお前が来てからにしようと思っていた。

高橋

あっ、そうだったんですね。

ボーン

サツキとムツミ。
SEOにおけるリンクの重要性についてカンタンに説明しておくぞ。

サイトが検索エンジンからの評価を受けるためには、記事の内容だけでなく、外部からのリンクも重要になる。

外部からのリンクというのは、サイトやドメインに対する「票」みたいなものだ。
Googleは、そのサイトやドメインがどのような票を集めているか、ということを評価して、検索順位を決めることがある。

これまで、みやび屋のページはオレのリライトによって狙ったとおりに上位表示されてきたが、あれは元々、みやび屋のサイトに昔から張られていた外部からのリンクの力も影響していた。

しかし、これから運営するオウンドメディアにおいては、キーワードによってはなかなか上位表示されないこともあるだろう。
そのときには、リンクを増やすための施策を考える必要が出てくる。

サツキ

リンクを増やすための施策・・・!

ボーン

ああ、そうだ。
施策といっても、何か特別なことをする必要はない。
ひとまずはコンテンツの内容に気を配ればいい。

ムツミ

コンテンツの内容・・・?

高橋

はい。
そのためにオススメしたいコンテンツが、まさに、さっきお伝えした“巻き込み型”のコンテンツなんです。

ムツミ

巻き込むことでリンクが集まるってわけか。

高橋

ただ、インフルエンサーを巻き込む際には別の視点での注意が必要です。
なぜなら、彼らを起点に瞬間的かつ膨大なアクセスが発生すると、サイトがそのアクセスをさばききれず、表示されなくなる場合があるんです。

サツキ

サイトが表示されなくなる・・・!?

高橋

はい。
サーバーへの大きな負荷が原因です。

ムツミ

サーバーへの大きな負荷・・・?

高橋

サーバーに関する話はあとでしますね。

ひとまずは「CMSの選定」の話に進みます。

サツキ

は、はい・・・!

2.CMSの選定

CMSとは「コンテンツマネジメントシステム」という言葉の略で、その言葉のとおり、コンテンツ、すなわち記事を投稿していくためのシステムのことです。

いわゆる、ブログのようなシステムだと考えてください。

今、ネット上にはたくさんのCMSがありますが、どのCMSもそれなりに機能が充実していますので、基本的にはどのCMSを選んでも大丈夫です。

ただ、CMSを選ぶ際は、以下の3つの点を意識しておくとよいでしょう。

  1. 記事の更新がしやすいこと
  2. セキュリティが安心なこと
  3. 動作が軽いこと

まず大事なことは、“記事の更新がしやすいかどうか”です。

Webの場合、いわゆる紙媒体などと比べて、何度でも編集・公開ができるという利点があります。
よって、公開した記事の反応を見て、その内容を都度ブラッシュアップするということが日常的に起こります。

ただ、そのブラッシュアップを行う際、記事の更新がしにくいCMSではフットワークが鈍ってしまいます。

たとえば、記事を更新する際はPCからだけでなく、移動中にスマホで行うこともあるでしょう。
そうした場合、スマホで更新しやすいかどうかが重要となってきます。

また、次に気を付けるべきは、“セキュリティに配慮されているかどうか”です。
最近、CMSがクラッカーと呼ばれる攻撃者に攻撃され、そのCMSに投稿されていた記事が書き換えられる被害が増えています。
さらには、知らない間に記事にコンピューターウイルスが仕込まれ、記事を見に来たユーザーのマシンにまでウイルスを感染させるなんてケースもあるんです。
そうなれば、最悪、サイト管理者の責任問題につながります。

そんな被害を未然に防ぐためにも、セキュリティに配慮されたCMSを選んでおきましょう。

そして、3つ目。
“動作が軽いかどうか”も重要です。

動作が軽いということは、「ページの表示スピード」も早くなりやすく、Googleから評価される要因となります。
というのも、今、Googleはページの表示スピードを評価対象としているからです。

せっかくなので、国内の主要なCMSを5つほど紹介しますね。

1.WordPress

WordPress

「全世界のWebサイトの25%がこのWordPressで作られている」といわれるほど、人気のCMSです。
「プラグイン」と呼ばれる追加機能を足すことによって、いろいろなタイプのサイトをつくることができます。
世界中で人気のCMSのため、わからないことがあっても、ネットで検索すればたいていのことは解決します。
ただ、その人気ゆえ、クラッカーからの攻撃を受けやすく、こまめなセキュリティアップデートが必須です。

2.はてなブログ

はてなブログ

株式会社はてなが提供するブログサービスです。
はてなブックマークやはてなニュースとの連携など、ユーザーが集まりやすい仕組みをもっていることが特長です。

3.note

note

とってもシンプルなCMSです。
文章や写真、イラスト、音楽、動画など様々なコンテンツを投稿することができるという特長をもっています。スマートフォンからの更新もカンタンです。

投稿したコンテンツを、部分的に有料化したり月額課金制にすることができるほか、ユーザーが作品に対して寄付をすることもできるコミュニティ的な仕組みがあります。

4.Jimdo

Jimdo

ビックリするくらいにカンタンにサイトが作成でき、たくさんのテンプレートの中から自分に合ったデザインを選ぶことができます。
ネットショップも作成可能で、幅広いサイト展開ができるCMSです。

5.g.o.a.t

g.o.a.t

g.o.a.tは、2016年に現れた新進気鋭のブログサービスです。
「ビジュアルブログ」をコンセプトに、画像や動画と文章を組み合わせて、ハイセンスな記事を作成することができます。

サツキ

こんなにたくさんのサービスがあるんですね・・・!

高橋

はい。
本当はもっとたくさんあります。
たとえば、先ほどご紹介したCMS以外にも、「a-blog cms」や「Movable Type」、「concrete5」、「drupal」なんかも有名です。

ムツミ

そんなにたくさんあると、ひとつ選ぶのが大変だな・・・。

高橋

まあ、何を選ぶかは、その人次第というところではありますが、用途に応じて複数のCMSを使うこともたくさんあります。
自分が書きたいテーマに合わせて「はてなブログ」を選んだり、「note」を選んだり、「g.o.a.t」を選んだり。
今回の「みやび旅」では「WordPress」というCMSを使うことにします。
「みやび旅」は、みやび屋のドメインの直下で運営しますから、WordPressであればカンタンに設置できます。

サツキ ムツミ

はいっ・・・!!

高橋

では、続いては、先程少し話に出たレンタルサーバーに関する解説です。

3.レンタルサーバーの選定

レンタルサーバーを選ぶ際、絶対に気を付けなければいけないことがあります。
それは、「503(503 Service Unavailable)」というエラーメッセージが極力出ないサーバーを選ぶことです。

一般的にレンタルサーバーには「同時接続数」というものが用意されています。
もし、その同時接続数を超えてたくさんの人がサイトを見に来ると、「503」というエラーメッセージが出て、ページが表示されなくなってしまうんです。

そして、それはオウンドメディアの運営においては致命的な機会損失となります。

実はこの同時接続数の制限は、レンタルサーバーによって異なるんです。

503エラー

ムツミ

えっ!?
「同時接続数」ってのはサーバー会社ごとに違うのか・・・?

高橋

はい。
実はそのことを知らない人は意外と多いです。

私が運用管理している「マツオカ」のサイトも、以前は借りていたサーバーが原因で「503」のエラーがしょっちゅう表示されるので困っていました。

かつて「マツオカ」のサイトは「503エラー」のトラブルに見舞われた

サツキ

それって、どうやって解決されたんですか・・・?

高橋

解決法はカンタンでした。
同時接続数に余裕のあるサーバー、つまり、できるだけスペックの高いサーバーに移転したんです。

サツキ

スペックが高いサーバー・・・!?

ムツミ

あ、そういや、うちのサーバーってどこだっけ・・・?

高橋

事前に調べてきました。

「みやび屋」のサイトは、今、ナノサーバーというサーバー会社が提供しているスタンダードプランで動いているようですね。

ナノサーバーのプラン

サツキ

ナノサーバー・・・。
たしか、以前、うちのホームページを作ってくださった業者さんが契約してくださったサーバーだと思います。

高橋

なるほど・・・。
結論からいうと、このサーバーは乗り換えたほうがいいです。
サーバーのスペックやプラン的に、膨大なアクセスに耐えられる仕様になっていないからです。

サツキ

えっ・・・。

高橋

実は以前「マツオカ」で使っていたサーバーも、同じナノサーバーのスタンダードプランだったんです。
オウンドメディアを立ち上げるまではとくに不都合はなかったのですが、オウンドメディアを立ち上げてからは「503」のエラーが頻発してしまったため、ほかのサーバーへ乗り換えました。

サツキ

そうだったんですね・・・。

高橋

オウンドメディアを運用する以上、この「503」のエラーとの闘いは避けられません。
このエラーについて、もう少し詳しく解説しておきますね。

「503エラー」が出る理由と仕組み

503エラーが出る理由を知っていただくためには、レンタルサーバーの「ビジネスモデル」について知っていただく必要があります。

一般的に「共用サーバー」と呼ばれる月数百円~数千円のサーバーは、1台のサーバーを複数人のユーザーで共有することで値段を下げています。
ただ、安く借りられる分、各ユーザー同士でサーバーのリソースを取り合う形になっていて、もし、共用サーバーの中に飛び抜けてトラフィックの多いサイトがあった場合に、サーバーの負荷はそのサイトに引きずられる格好になるんです。

そうなったらほかのユーザーは困りますよね。
他人のサイトのせいで、自分のサイトの表示が遅くなったりするわけですから。

よって、サーバー会社は、飛び抜けてトラフィックの多いサイトのトラフィックを抑えることで、ほかのユーザーのサイトに迷惑をかけないようにし、同じ共用サーバーを使うすべてのユーザーの満足度を平均的に高めるための対策を行っているんです。

それが「同時接続数の制限」です。

サイトへアクセスしてきた人が、サーバー側で設定した限界値(同時接続数)を超えた場合、「503エラー」というメッセージを表示し、サイトを見れなくする。
そうすることで、同じ共用サーバーを使っているほかのユーザーへの影響を防いでいるんです。

だから、503エラーが出ている状態は、サーバーが落ちているわけではなく、サーバー会社が意図的にそのサイトへのアクセスを遮断している状態だといえます。

瞬間的なアクセス過多の図

ちなみに、実際のアクセスがそれほど多くなくても、サイトの構造が原因で、サーバー側で設定された限界値(同時接続数)を超えてしまうケースもあります。
データベースへ頻繁にアクセスするサイトなどは、一回のアクセスでたくさんのファイルやプログラムを呼び出してしまい、その分、サーバーとの接続時間が長くなって、サイトへアクセスしてきた人がサーバーになかなか接続できない“順番待ち”の状態が発生します。それが同時接続数に影響してしまうんです。

そういったサイトは、サーバーを乗り換えるだけではダメで、サイトの構造を見直す必要が出てきます。

プログラム処理過多

ムツミ

なるほど・・・。
レンタルサーバーの裏側ってそんなことになってたんだ・・・。

高橋

はい。
だから、理想をいえば、共用サーバーではなく「専用サーバー」を借りておいたほうがいいといえます。
月額の費用は高くなりますが、いざ、膨大なアクセスが殺到したときに、共用サーバーよりもアクセスをさばきやすいからです。

ムツミ

専用サーバー・・・。

高橋

失ったお金は取り戻せても、失った時間は取り戻せません。

だから、私だったら、サーバーのスペックにはケチらず、最初からある程度信頼できるサーバーを借りておきます。

サツキ

“失ったお金は取り戻せても、失った時間は取り戻せない”・・・。
この言葉、胸に突き刺さりますね・・・。

高橋

ちなみに、みやび屋のレンタルサーバーに関しては、私がオススメするサーバーを選定しておきました。
サーバーの乗り換え作業に関しては、私が行いますので、安心してください。

サツキ

ありがとうございます・・・!!

高橋

もしサーバーに関してもう少し詳しく知りたい場合は、この記事にも目を通しておいてください。

サツキ

よ、読んでみます・・・!

ムツミ

(・・・サーバーの世界って奥が深いんだな・・・)

高橋

では、続いて「サイトデザイン」と「記事のプランニング」の解説に進みましょう。

4.サイトデザイン

オウンドメディアの場合、記事が主役になるため、文章が読みやすいデザインを心がける必要があります。
また、スマホ経由で訪れるユーザーも多いため、スマホで見た時に見やすいデザインであることも重要です。

そのため、今回のサイトのデザインは、「みやび旅」というロゴを基調としたシンプルなデザインにしたいと思います。
ロゴさえ印象的であれば、シンプルなデザインでも記憶に残りますから。

また、文章の読みやすさを担保するためには、ページの背景色文字色のコントラストは重要なので、そこにも配慮しながらデザインを進めていきます。

5.記事のプランニング

今回、初期段階で投稿する記事は、おふたりが考えると聞いていますので、ここは割愛させていただきます。

高橋

今回どんな記事を投稿するか決まりましたか。

サツキ

はい!
須原で働く人たちに、須原だけでなく全国の旅行先の魅力を語ってもらう記事です!

高橋

ほおお、素敵ですね!
インタビュー記事の場合は相手のスケジュールなどに合わせる必要が出てくるので、いくつかの記事を同時進行しておくとよいかもしれませんね。
1記事ずつ順に考えるのではなく、複数のインタビュー記事のアイデアを考えておいていただければと。

サツキ

わかりました・・・!

え・・・と、ムツミも案出し手伝ってくれるかな?

ムツミ

当たり前だぜ!
オレが読みたくなるようなインタビュー記事のアイデア、ひねり出してみるぜ!

サツキ

頼もしいわ。
ありがとう。

サツキ

あっ・・・!

ムツミ

どうしたんだ?

サツキ

そ、そういえば、今回のオウンドメディアの記事って誰が書くことになるんでしょう・・・?
私たちが書くことになるのかな・・・。

どうしよう・・・。
仕事の合間に書けるかな・・・。

高橋

ふふふ、安心してください。
本当はサツキさんたちに書いてもらいたいところなんですが、そうは言っても旅館のお仕事が忙しいことは重々理解しています。

そこで、今回のオウンドメディアは外部のライターさんを手配しようと思っています。

サツキ

外部のライターさん・・・!?

高橋

はい。
ちょうど今から記事の作成に関する解説をしようと思っていたので、ひとまず私の話を聞いてみてもらえますか。

サツキ

はいっ・・・!!

6.記事の作成

続いては、オウンドメディア運営においての“命”というべき、記事の作成についてです。
一般的な記事の作成パターンとしては以下の5つのパターンがあります。

  1. 自分で書く、もしくは自社のスタッフが書く
  2. ライター系の制作会社(プロダクション)に頼む
  3. 個人のプロライターに頼む
  4. 個人のブロガーに頼む
  5. クラウドソーシングを使っているライターに頼む

今回、「1」が厳しいかもということで、「2」から「5」にかけて解説しますね。

まず、「2」の“ライター系の制作会社(プロダクション)に頼む”ケースです。
この場合、信用度と安心感が違います。
プロダクションですので、万が一、担当していたライターさんの記事の作成が厳しくなった際には代打をアサインしてくれますし、複数人で記事をチェックする体制などもあります。
どんなライターさんを抱えているかによって、プロダクションの質や方向性は異なりますが、組織ならではの安定感はあるでしょう。

続いて、「3」の“個人で仕事を請け負っているライターさん”に頼むケースについてです。
個人ライターさんの場合、組織に所属していないため、しがらみを取り払った尖った記事を書きやすい状況にあります。
感情ほとばしるような文章は個人ライターさんに発注するのがオススメです。

また、「4」の“個人のブロガーさん”に頼むケースを考えてみましょう。
個人のブロガーさんは本職のライターでないため、文章の質については振れ幅が大きいのですが、ブログというひとつのメディアを継続して運営してきた経験から、企画力に優れているケースが多々あります。
また、自分のメディアをもっているため、そのメディアを露出起点としたプロモーションを提案してくれるケースもあります。

そして最後は、「5」の“クラウドソーシング”経由でライターさんに頼むケースです。
クラウドソーシングは主婦の方などが空き時間を使う感覚で登録しているケースが多く、たくさんの記事が一気にほしい場合などにはオススメです。
ただ文章の質については未知数なケースも多くあります。
ただ、活動の場をあえてクラウドソーシングにすることで、コンスタントに仕事を受注しようとするプロのライターさんもおられるので、優秀な人を発掘するという視点で利用すれば、素敵なライターさんが見つかる場合もあります。

サツキ

へええ、外部のライターさんに頼むといっても、いろいろな方法があるんですね・・・!

ムツミ

ちなみに、うちの記事を書いてくれるライターさんって、心当たりあるんすか?

高橋

はい。
実はすでに何人かリストアップしています。
そして、中には“とっておき”のライターさんもいます。

ライターさんが正式に決まり次第、お教えしますね。

サツキ

それはスゴイです・・・!
ありがとうございます・・・!

ムツミ

(“とっておき”のライターさんって、ワクワクするな・・・!)

高橋

ちなみに、外部のライターさんに発注する場合には、自分たちがプランナーや編集者視点で発注することも大切です。

ムツミ

プランナーや編集者視点・・・?

高橋

はい。
記事の企画をライターさんに丸投げするのではなく、ある程度自分たちで記事の企画をした上で、発注するということです。
また、ライターさんから上がってきた記事も、カンタンに納品のOKを出すのではなく、自分たちでその内容をチェックし、必要であれば都度書き直してもらうことも大事でしょう。
外部ライターさんに記事を書いてもらうといっても、メディアの読者は「みやび屋」が発信していると思いながら記事を読むわけですから、発注側も記事の質をきちんとチェックする責任があります。

ムツミ

なるほど・・・!

高橋

ちなみに、私がオススメしたいのは、ライターさんに記事の企画の骨子をまとめたマインドマップのPDFを共有しておくことです。

  • その記事は誰がターゲットなのか?
  • その記事の目的は何なのか?
  • その記事はどのようにして露出させるつもりなのか?

そういったことをマインドマップにまとめておけば、マインドマップが企画の「地図」になります。
地図さえあれば、ライターさんもどういう記事を書けばよいのかが見えてくるはずです。

ムツミ

ふむふむ。

サツキ

マインドマップだったら、忙しくても書けそうだわ。

ムツミ

ライターさんにいっぱい発注できるよう、たくさんアイデアを考えようぜ!

高橋

ふふふ。
あ、でも今回は「量」より「質」を意識したオウンドメディアですから、ただアイデアをたくさん出すよりも、しっかりと錬られたアイデアをお願いしますよ。

サツキ

承知しました!

高橋

では、オウンドメディア運営の最後のポイント「解析ツールの導入&運用」についてお話ししておきます。

7.解析ツールの導入&運用

記事を公開したからといって安心してはいけません。
それらの記事がどういった成果を上げていくかをウォッチするために「解析」の準備をしておきましょう。

記事は公開して終わりではありません。
公開してからが勝負なんです。

その記事がどういった成果を上げているかを指標で表したものを、「KPI(Key Performance Indicators)と呼ぶことがあります。
オウンドメディアを運営する際は、そのKPIを設定し、そのKPIの達成を目指すことになります。

記事のKPIに関しては、たとえば、以下のような要素において指標を設定するとよいでしょう。

  1. 狙ったキーワードでの検索順位
  2. ページビュー数
  3. ユニークユーザー数
  4. 滞在時間
  5. 精読率(ヒートマップにおけるスクロール深度)
  6. ソーシャルメディア(TwitterやFacebook)でのシェア数
  7. 外部のブログなどでの言及数
  8. 検索結果上でのクリック率(CTR)
  9. リピート率
  10. コンバージョン(成約数)もしくはアシストコンバージョン(間接的な成約数)

これらの要素に対し、前もってKPIを決めておけば、各記事が成果を挙げたのかどうかを見極めることができます。
そして、もし記事が成果につながっていないことがわかれば、記事をブラッシュアップするなどの決定を迅速に行えます。

ただ、KPIを細かく確認するためには、「解析ツール」をサイトに入れなければいけません。
各種データの取得は解析ツールを入れた時点から始まりますので、サイトを立ち上げたその日から解析ツールは設置しておきたいところです。

解析ツールをいくつか紹介しておきますね。

Google Analytics(Google アナリティクス)

Google Analytics

Googleが提供している無料のアクセス解析サービスです。
アクセス解析に必要なさまざまなデータを取得することができます。
また、スマートフォン向けのアプリなどもあるため、各記事のアクセス状況を手軽にウォッチすることが可能です。

Google Analytics

●取得できる主なデータ
ページビュー数、ユニークユーザー数、滞在時間、リピート率、コンバージョン(成約数)もしくはアシストコンバージョン(間接的な成約数)など。

Google Search Console(Googleサーチコンソール)

Google Search Console

こちらもGoogleが提供している無料のサービスです。
以前は「ウェブマスターツール」と呼ばれていました。

このツールを使えば、自分の管理するサイトがGoogleの検索エンジンからどのように認識されているかという情報を知ることができます。
たとえば、自分のサイトの平均順位や、自分のサイトが検索結果でどれくらいクリックされているのかというクリック率(CTR)を確認することもできるんです。

そのほかにも検索エンジンへのインデックスを促す機能があったり、サイトに問題があればメッセージ送信をしてくれる機能があったりと、SEOを意識したサイトなら必ず導入しておきたいツールです。

Google Search Consoleの検索アナリティクス

●取得できる主なデータ
検索順位、検索結果上でのCTRなど。

Ptengine

Ptengine

Ptengineは、株式会社Ptmind社が提供するヒートマップ機能を有するアクセス解析ツールです。
最大の特徴となるヒートマップ機能は、“ページの中でどの箇所がユーザーによく読まれているか”“どれくらいページの下のほうまで読まれているか?”といった情報を教えてくれる機能です。

このヒートマップ機能を用いることで、「どんなふうに記事を構成すれば、記事は最後まで読んでもらえるのか?」といった分析が可能になります。

Ptengine

Ptengine

●取得できる主なデータ
ページビュー数、ユニークユーザー数、滞在時間、精読率、リピート率、ソーシャルメディアの言及数、コンバージョン(成約数)もしくはアシストコンバージョン(間接的な成約数)など。

GinzaMetrics

GinzaMetrics

GinzaMetricsは、Ginzamarkets株式会社が提供するアクセス解析ツールです。
最大の特徴は特定キーワードの検索順位をウォッチできることです。
そのほか、アクセス解析に必要なさまざまな機能が用意されています。

GinzaMetrics

●取得できる主なデータ
検索順位、ページビュー数、ユニークユーザー数、滞在時間、ソーシャルメディアの言及数、検索結果上でのCTR、リピート率、コンバージョン(成約数)もしくはアシストコンバージョン(間接的な成約数)など。

高橋

オウンドメディアの運営では、「PDCAサイクル」を素早く回し、コンテンツをどんどん改善していくことが大切です。
だから、アクセス解析の画面はこまめに見るようにしましょう。

ムツミ

PDCA・・・?

高橋

あっ、「PDCAサイクル」とは「Plan(企画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」という4つのステップの略です。

記事が思うように見られていない場合には、その記事を改善するための施策を考えます。
そして、その施策を実行したあと、きちんと成果が出ているかを分析します。

その分析の結果、もし、期待していた成果が出ていなければ、さらなる改善の準備をします。

この4つのステップを繰り返すことにより、記事をどんどん改良してゆけるんです。

ムツミ

なるほど・・・。

高橋

私からの解説は以上です!


サツキ

高橋さん、すごくわかりやすかったです・・・!
ありがとうございました・・・!

ヴェロニカ

高橋くん、もう立派なWebディレクターね。

ボーン

マツオカでの日々はムダにはなっていなかったようだな。

高橋

へへへ・・・。
ま、ボーンのアニキの直接指導を受けた身としては、これくらいのディレクションはできないとな。

ムツミ

(このあんちゃん、黒いベストのセンスはどうかと思うけど、すげーじゃねーか)

ボーン

・・・高橋、ライターの手配はすでに心当たりがあると言っていたが、まかせても大丈夫なのか?

高橋

フフフ、当たり前ですよ。
まかせてください。

ボーン

・・・。

ボーン

よし、ライターの手配を含め、「みやび屋」のオウンドメディアの運営指揮はひとまず高橋にまかせる。

高橋

了解っ!!

サツキ

あ・・・!

ヴェロニカ

サツキさん、どうしたの?

サツキ

あ、あの、今思い出したんですが・・・。
実は昨日、いろいろなホームページを見ていてすごく気になったことがあったんです。

ヴェロニカ

気になったこと・・・?

サツキ

はい、たまたまかもしれませんが、ボーンさんがおっしゃった「キュレーションサイト」というホームページに、うちや、須原の旅館の紹介がされていなかったんです・・・。
それもいろいろなホームページで・・・。

ムツミ

あ・・・。
やっぱりアネキもそう思ったか?
あれって、やっぱりおかしいよな・・・?

ヴェロニカ

どういうことかしら・・・?

サツキ

「TRAVEL UP」の記事にも、須原の旅館の情報が一切掲載されていませんでした。
・・・というか、削除されたみたいな・・・。

ボーン

・・・「TRAVEL UP」のサイトを見せてみろ。



ボーン

高橋、運営会社情報のページを見せてくれ。

高橋

運営会社情報だな、りょ、了解!

TravelUp運営会社情報

ヴェロニカ

このサイトの運営会社は・・・バイソンマーケティング・・・。

ムツミ

バイソンマーケティング?

この代表者の名前は・・・。

ボーン

・・・遠藤・・・!

遠藤のことを頭に思い浮かべるボーン

高橋

遠藤・・・遠藤・・・。

あああっ!!
・・・ボーンのアニキ、この遠藤って・・・。

ボーン

・・・元ガイルマーケティング社の遠藤。
まだWebの世界で生き残っていたとはな。

ムツミ

??
遠藤って、ボーンのオッサンたちの知り合いなのか・・・?

高橋

・・・。

ボーン

この手口・・・。
マツオカのときとそっくりだな。

懲りんやつらだ。

ヴェロニカ

ただ、今回の嫌がらせ、以前とは規模が違う気がするわね・・・。

ボーン

・・・。
裏にはヤン・タオがいるというわけか。



ヴェロニカ

ボーン、時間よ。
私たちはチップを探しに行かないと。

ボーン

・・・ああ。

サツキ

あっ!
今日は私たちも手伝います!

ムツミ

そうだぜ、結局、オレたち、まだ一度も手伝えてないからな・・・。
今日はお客さんがいつもより少ないし、2時間くらい宿から離れても大丈夫さ。

ヴェロニカ

ありがとう。
じゃあ、手伝いをお願いしようかしら。

サツキ ムツミ

はいっ!!

高橋

ボーンのアニキ、じゃ、とりあえずオレはライターの手配に動くぜ。

ボーン

ああ、頼む。

ボーン

高橋。

高橋

ん?

ボーン

・・・。
いや、なんでもない。

オウンドメディアはまかせたぞ。

高橋

おうっ、大船に乗ったつもりでまかせてくれよ!

ボーン

(思えば、マツオカの件では、高橋にはライター探しのノウハウを教えたことがなかったな。
今のこいつなら、大丈夫だとは思うが)

ボーン

・・・。



その夜、某所にて

バズボンバーのオフィス

高橋

ちゅーす!

伊藤(シルエット)

ん・・・?

田中(シルエット)

むしゅしゅしゅしゅ!!
誰ですか、あなた・・・?

高橋

・・・あれっ・・・。
もう忘れちまったんですか!?

歌舞伎町の夜を一緒に過ごしたじゃないですか?
オレですよ、オレ。
(と言っても、この人たちに強制的に連れて行かれたんだけど・・・)

伊藤(シルエット)

・・・もしかして、高橋か・・・?

田中(シルエット)

むしゅしゅしゅしゅ!!
高橋くん、そうだ、高橋くんでしゅよ!
久々でしゅね~!!

山本(シルエット)

嗚呼、高橋、君は一皮剥けたようだね。
お肌が剥きたてのゆで卵のようにプルプルじゃないか。

伊藤(シルエット)

・・・お前、このバズボンバーに何の用だ?

高橋

フフフ・・・。
今日は皆さんに頼みたいことがあってやって来ました。

バズボンバーのオフィスへ挨拶にしに行った高橋と高橋を迎えるバズボンバーの3人



チップのGPS作動停止まであと・・・52日

チップを探すボーンとヴェロニカ、ムツミ、サツキ。バズボンバーと盛り上がる高橋。

次回予告

ついにみやび屋のオウンドメディアが始動する・・・!

シンガポールから帰国した高橋の指示のもと、須原の未来を懸けオウンドメディアを運用することになったサツキたち。
サツキたちの記事は大衆の心を動かすのか?

一方、高橋はバズボンバーと名乗る怪しい男たちのもとを訪れていた。

バズボンバーとは一体何者なのか?
そして、ボーンたちはチップを見つけ出すことができるのか?

物語は転調を繰り返しながら、クレッシェンドしていく。

次回、沈黙のWebライティング 第6話。
「嵐を呼ぶインタビュー」

今夜も俺のタイピングが加速するッ・・・!!