WEB HISTORY

おさらい!Web制作史

回線の高速化・データ大容量化、スマホの登場など、
時代ともに多様化していくWeb制作を
インターネットの登場から年表にまとめました。

-1995

本格的にインターネットの普及がはじまる

インターネットは、当初大学や研究機関のデータ共有が目的でした。一般に普及する契機は、接続を手軽に行える1995年のWindows 95の登場です。Webデザインは1993年にHTML 1.0が公開され、マークアップによるタイトルや見出しによるデザイン表現が始まります。

世界初のWebサイトは、テキストのみのデザイン

Webサイトの歴史は1991年のティム・バーナーズ=リー氏によるWWWの提唱によってはじまりました。当時はテキストのみのデザイン。バーナーズ=リー氏は、URL・HTTP・HTML の最初の設計も手掛けました。

国内のインターネット接続は「ダイヤルアップ接続」と「ISDN」が主流

この時代の一般のネット利用はパソコン通信が主流でした。ダイヤルアップ接続という電話回線を用いた通信で、初期の通信速度は300bps。通信と電話の同時利用できず、ホストコンピュータにつながった回線同士のみが通信をおこなえる限定的な方法でした。

1995年にはNTT東日本・西日本が電話料金(ダイヤルアップ接続含む)定額制サービス「テレホーダイ」を提供開始し、さらに一般家庭でも購入しやすい価格帯でインターネット接続機能が標準搭載されたWindows95が提供開始され、一般や個人のインターネットへの関心と普及が広がります。また、デジタル化された電話交換網である「ISDN(Integrated Services Digital Network)」は、同じ電話番号で音声通話とデータ通信ができるため、人気となりました。

-1995
1971

ファイル転送プロトコル「FTP」公開開発

アバイ・ブーシャン氏により、ファイルを転送するプロトコル「FTP(File transfer protocol)」がRFC 114として公開されました。

1974

インターネットプロトコル「TCP/IP」公開開発

米国国防高等研究計画局(DARPA)や米スタンフォード大学の尽力によって、インターネットのプロトコルである「TCP/IP」の最初の仕様がRFC 675として公開されました。TCP/IPは、TCP(Transmission Control Protocol)とIP(Internet Protocol)という2つのプロトコルの総称です。

1987

「Adobe® Illustrator®」をAdobeがリリースソフト

Adobeは、初のPostScript専用ベクターツール「Adobe Illustrator 1.0」をApple Macintosh用としてリリースしました。

画像ファイルフォーマット「GIF」(GIF87a)公開

CompuServeは、ファイル容量を圧縮する画像フォーマット「GIF(Graphics Interchange Format、GIF87a)」を公開しました。

1990

「Photoshop®」をAdobeがリリースソフト

Adobeは、画像編集ソフト「Adobe Photoshop 1.0」をApple Macintosh用としてリリースしました。

世界初のWebサーバー「CERN httpd」誕生開発

CERN(欧州原子核研究機構)にて開発されたWebサーバー用のプログラムです。ハイパーテキストの提唱者、ティム・バーナーズ=リー氏らの手によります。本プログラムを搭載したコンピュータが、1990年のクリスマスに世界初のWebサーバーとして登場したと言われています。

1991

インタープリタ型プログラミング言語「Python®」公開開発

Python(パイソン)は、インタープリタ(逐次実行)型のプログラミング言語で、グイド・ヴァンロッサム氏が開発しました。1989年から開発は始まり、1991年2月にversion 0.9.0を公開しました。

世界初のWebページとして「World Wide Web」誕生

1991年8月6日、CERN(欧州原子核研究機構)のWebサーバ上に、ティム・バーナーズ=リー氏などが、テキストベースのWebブラウザによる世界初のWebページを公開しました。本ページは、CERNにて今でも記念に公開されています(http://info.cern.ch/hypertext/WWW/TheProject.html)。

当時のWWWは、研究者が実験成果の文書を効率的に共有する目的で始められました。当時の案内として「プロジェクトのエグゼクティブサマリー、メーリングリスト、ポリシー、11月のW3ニュース、よくある質問など、W3に関するオンライン情報はすべて、このドキュメントに直接または間接的にリンクされています」と書かれています。
1992

「日本初のWebサイト」誕生

1992年9月30日に、KEK(当時:文部省高エネルギー物理学研究所計算科学センター、現在:高エネルギー加速器研究機構)は、日本初となるWebサイトと日本初となるHTML(Hyper Text Markup Language)によるページを公開しました。なお https://www.ibarakiken.gr.jp/www/ から当時のWebページを閲覧できます。

画像フォーマット「JPEG」規格化

Joint Photographic Experts Groupなる国際機関が、デジタル静止画像を圧縮する手法としてJPEGを規格化しました。非可逆的な圧縮方法を利用し、少ないファイル容量で1,680万色の表示が可能です。そのため写真をWebに公開する際に利用されました。

1993

米イリノイ大学、米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)、Webブラウザ「NCSA Mosaic」リリースブラウザ

それまで別々に表示していたテキストと画像を、1つのウィンドウで同時に表示できる画期的なWebブラウザです。これにより企業も、Web技術はビジネスに役立つ可能性があると気づき、研究開発に参入、技術の進化が加速します。NCSA MosaicによるWebページの表示は、今でも https://www.ncsa.illinois.edu/research/project-highlights/ncsa-mosaic/ にて見られます。

インターネットのマークアップ言語「HTML1.0」公開マークアップ

ティム・バーナーズ=リー氏とダニエル・コノリー氏は、IETF(Internet Engineering Task Force)にHTML(HyperText Markup Language)のバージョン1.0をインターネット・ドラフトとして提出しました。ハイパーリンク、画像の埋め込み、見出しや段落といった書類構造、フォントや文字色などを指定できました。

Adobeが「Acrobat®」をリリース、電子文書ファイル形式「PDF」公開ソフト

Adobe が、電子文書閲覧ソフト「Adobe Acrobat」をリリースし、同時にそのフォーマット「PDF(Portable Document Format)」を公開しました。PDFは、OSに依存せずに電子文書を閲覧、共有する際の形式として広く使われるようになりました。

「CGI」登場開発

CGI(Common Gateway Interface)は、Webサーバーが外部プログラムを呼び出せる仕組みです。NCSAが定義し、最初にNCSA Httpdに実装しました。CGIによって、検索サイト・掲示板・ショッピングサイト・メールフォームなどが誕生しました。

世界で2番目に開発されたWebサーバー「NCSA Httpd」登場開発

ティム・バーナーズ=リー氏らが開発したCERN httpdに次ぐ、世界で2番目に開発されたWebサーバーと言われています。またCGI(Commmon Gateway Interface)を初めて導入しており、これにより動的なWebサイトの制作、表示が可能になりました。その後の開発は、Apacheプロジェクトが引き継ぎました。

After Effectsの前身「Cosa After Effects」リリースソフト

The Company of Science & Artは、ビジュアル・エフェクト/動画作成のパッケージソフト、Cosa After Effects バージョン1.0をリリースしました。その後、Adobeが本ソフトの権利を得て、バージョン3.0からAdobe After Effectsとしてリリースしています。

1994

ロボット方式の検索サイト「Infoseek」誕生検索エンジン

ロボット方式の検索とは、Webページを自動的に収集して、特徴をデータベース化し検索に利用するものです。Infoseekは、ロボット方式を採用した検索サイトの草分けと言われています。

「Yahoo!®」誕生検索エンジン

最初は、創設者のジェリー・ヤン(楊致遠)氏とデビッド・ファイロ氏が制作した、ユニークなWebサイトを紹介するサイトでした。

「首相官邸公式サイト」開設

当時の内閣参事官、松井孝治氏が、パソコンが一台もない官邸に、Webサーバーを持ち込み、サイトやページを作成し公開しました。

「W3C(World Wide Web Consortium)」設立マークアップ

W3Cは、WWWで用いられる技術の標準化や相互運用性の確保を目的とする団体です。ティム・バーナーズ=リー氏が、CERN(欧州合同原子核研究機構)と共同で、DARPAと欧州委員会の支援を受け、マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学研究所に設立しました。

Netscape Communications、「Netscape Navigator 1.0」リリースブラウザ

Netscape Communicationsが、高性能なWebブラウザとして「Netscape Navigator 1.0」をリリースしました。高機能で簡単、かつ機能制限版の無償配布もあって、一世を風靡するWebブラウザになりました。

日本IBM、個人でもWebサイトやページを作れる「ホームページ・ビルダー」リリースソフト

HTMLの知識不要でWebサイトやページを手軽に作成できるパッケージソフトです。本ソフトの登場で、趣味のWebサイトや個人ブログも多く誕生しました。日本IBMが開発し、2010年からはジャストシステムが開発、販売を行っています。

1995

「阪神淡路大震災」発生

当時、ボランティアスタッフが、パソコン通信を介してインターネットにアクセスし、海外の支援者と連携しました。インターネットが社会に大きな役割を果たし、一般にも強く認識される契機となりました。その活躍は、平成7年版及び平成8年版通信白書等においても取り上げられました。

暗号通信プロトコル「SSL」発表開発

Web上のデータ保護のため、Netscape communicationsは、暗号通信プロトコル「SSL(Secure Sockets Layer)」を開発、開発時の課題解決の後、SSL 2.0を公開しました。1995年3月リリースのNetscape Navigator 1.1 に実装しました。

Webサーバーソフトウェア「Apache 」 公開開発

Apacheグループが、最初の公式パブリックリリース「Apache(0.6.2)」を公開しました。

Sun Microsystems、「Java」公開開発

Javaは、オブジェクト指向のプログラミング言語です。Sun Microsystems(後にOracleが買収)が、当初家電製品用に開発しました。その後、Webへの対応を目指し、当時の人気Webブレラザ、Netscape Navigatorで採用されるなど、人気を博し今に至っています。Javaによる、ブラウザ上でのアニメーションの表示やインタラクティブな操作は画期的な出来事でした。

オープンソースのプログラミング言語「PHP」公開開発

ラスマス・ラードフ氏は、個人的に開発したプログラミング言語「PHP」をオープンソースライセンスの下で公開しました。PHPは、サーバーサイドで動的なウェブページを作成できる機能を、豊富に有するのが特徴です。

NTTパーソナルとDDIポケット、近距離の無線通信用「PHS」サービス開始

NTTパーソナルとDDIポケットは、日本発の規格である、近距離向け通信規格を利用した「PHS(Personal Handy Phone System)」のサービスを開始しました。

ECサイト「Amazon.com」サービス開始

Amazon.comは、当初オンライン書店としてサービスを開始しました。

Microsoft、「Internet Explorer1.0」リリースブラウザ

Microsoftは、NCSA Mosaicのライセンスを受けて、そのソースコードを元にInternet Explorerを開発しました。その後、Windows95や98に標準搭載することで徐々にシェアを広げ、1998年9月にはシェア48.5%でNetscape Naviagatorを逆転、2002年にはシェア約90%と独占状態になりました。そのため、Internet Explorerは独自仕様で機能を拡張することもあり、他のブラウザとの表示が統一されない「複数ブラウザ対応」の問題が増えました。

「Netscape Navigator 2.0」リリースブラウザ

Netscape Communicationsが「Netscape Navigator 2.0」と「Netscape Mail 2.0」をリリースしました。

NTT東日本・西日本、定額でダイヤルアップ接続できる「テレホーダイ」提供開始

NTT東日本・西日本は、電話通信において接続時間による従量課金ではなく定額制で利用できる「テレホーダイ」の提供を開始しました。23時~翌日8時に限り、指定した2つの電話番号までの通話料金が定額になりました。当時、インターネットに接続するには電話通信が一般的でしたので、定額で利用できるサービスは深夜帯とはいえたいへんな人気を博しました。

Netscape Communications、「JavaScript」公開開発

JavaScript以前、Webサイトは、HTMLとCSSによるテキスト中心の静的で表示が主流でしたが、JavaScriptによって動的な表現が可能になりました。しかしブラウザによってはJavaScriptの独自の拡張がなされ、当時はブラウザ間の互換性が低くなりました。

マイクロソフト、「Windows95」リリースOS・機器

Windows95は、インターネットを意識して、TCP/IPを標準搭載、ダイヤルアップ接続機能やInternet Explorerを付属(OSR2から)し、格段にインターネット接続を容易にしました。国内でもWindows95は発売前から注目を集め、発売日の11月23日には、多くのパソコン店が深夜に販売記念イベントを開催し、店頭には買い求める人々が殺到しました。(米国での発売は、1995年8月)

1995年は、ダイヤルアップ接続に便利な定額サービス「テレホーダイ」の登場や、簡単にインターネット接続ができる「Windows95」などの普及によって、社会的にインターネットが注目されました。新語・流行語大賞では「インターネット」という言葉がトップテン入りを果たすほどでした。

IETF 、「HTML 2.0」公開マークアップ

Webページ等のプロトコルであるHTMLのバージョン2.0が、RFC 1866としてIETF から公開されました。これ以降、HTMLは、W3Cの管轄に移ります。2.0は、META 、HR(水平線)、BR(改行)、FORM関連を採用しました。1996年5月には TABLE関連の機能も追加しました。

本格的な全文検索サイト「AltaVista」登場検索エンジン

AltaVistaは、DECの研究所で開発された、高速な全文検索エンジンを利用した検索サイトです。多言語検索ができ、非アルファベット文字の言語にも対応していました。

まつもとゆきひろ氏、「Ruby」公開開発

Rubyは、オープンソースのオブジェクト指向スクリプト言語です。日本人が開発したプログラミング用言語としては、初めて国際電気標準会議(IEC)から国際規格に認証されました。

1996-2000

検索エンジン・大手ECサイト・ネット銀行が登場し、Web活用が多様化

国内のインターネット人口普及率は、この5年間で3.3%から37.1%へ。通信環境もテレホーダイや、ADSLの登場で利便性が向上しました。検索エンジン「Yahoo!」や「Google」が、日本語版のサービスの提供を開始します。Webデザインでは、ブラウザでの表示崩れが起きにくいテーブルレイアウトが主流となり、グラフィカルな装飾や複雑な構成が行われるようになりました。

表示崩れを防ぐテーブルレイアウト

当時は、ブラウザの表示崩れを防ぐことがWeb制作において最重要課題でした。本来は表組に用いるtableタグを、Webページのレイアウト構成に使うテーブルレイアウトという手法は、表示崩れが少なく技術の習得も簡単なため、XHTML・CSSが普及するまで主流の方法でした。幅や高さの調整に、spacer.gifという透明の画像ファイルを挿入する、画像要素をスライスして配置するといった、トリッキーなコーディング手法も相まって、2000年代中頃まで使われました。

また、Webページの訪問数を集計するカウンターや、テキストを動かすアニメーション、GIFも流行しました。

Netscape NavigatorとInternet Explorerのブラウザ戦争

世界で一番最初に普及したブラウザ「NCSA Mosaic」。その開発者が立ち上げたNetscape communicationsで生まれたWebブラウザが「Netscape Navigator」、NCSA Mosaicのライセンスを取得したMicrosoftが開発したのが「Internet Explorer」です。両者は、登場以来、シェアを競いバージョンアップを繰り返しました。

当時有償だったNetscape Navigatorは、W3Cが定めたHTMLの規格に沿っており、正しく記述しなければ表示崩れが起こるのに対し、無償のInternet Explorerはユーザーの意図を反映し、なるべく崩れないような独自の改良を行っていました。HTMLのコーディングの主流が手書きだった時代は、表示がされやすく無料のInternet Explorerに軍配があがり、2002年頃にはシェア約90%を獲得します。

1996-2000
1996

日本のインターネット普及率が3.30%に

1996年から総務省はインターネット普及率の調査を始めました。

ヤフー、国内初の商用検索サイト「Yahoo! JAPAN」公開検索エンジン

スタッフが1つひとつWebサイトを登録する「ディレクトリ検索」とフリーワードから検索する「キーワード検索」の提供を開始しました。

Webメールの先駆者「Hotmail」サービスを開始

Webメールは、ISP(インターネット・サービスプロバイダ)に登録しなくてもメールを利用できるサービスです。Hotmailが社名のままのサービス名で始め、翌年Microsoftに買収され、HotmailはMSN(Microsoft Network)のサービスになりました。

W3C、画像フォーマット「PNG 1.0」勧告

PNGとはPortable Network Graphicsの略語です。GIFの代替を目指して開発され、バージョン1.0のリリース後、RFC 2083として承認されました。背景が透明または半透明のグラフィックを処理できるので、Webデザイナーがよく使用しています。

Mirabilis、インスタントメッセンジャー「ICQ」リリース

ICQは、リアルタイムにメッセージをやりとりできる機能や、ファイル、URLなどを送信できる便利さから、1990年代後半から爆発的に普及し、2001年には登録ユーザーが1億人を超えたと発表がありました。

Macromedia、Adobe Flash®の前身「Macromedia Flash」リリースソフト

Flashは、Web上で動画やゲームを扱える規格でありソフトウェア群です。2005年のAdobeによるMacromediaの買収で、Adobe Flashに名称を変えました。一時期はWeb上で動くものは、ほとんどがAdobe Flashによるものでしたが、iPhoneでの利用許可がおりないなどの理由で衰退しました。Adobeは、2020年にAdobe Flashの開発、ソフト配布等を終了しました。

Opera Software、Webブラウザ「Opera」リリースブラウザ

Operaは、Windows、Macintosh、Linuxなどに対応していて、他にも携帯電話や家電、ニンテンドーDSやWiiなども利用しました。

W3C、「CSS(Cascading Style Sheets)1.0」勧告マークアップ

従来は、Webページにおいて文書内容とその見栄えは、同じHTMLコードで記述するのが普通でしたが、CSSの勧告以来、HTMLでは文書構造のみを定義し、見栄えなどはCSSで定義することが推奨されるようになりました。

勧告はされましたが、当時CSSはサポートするブラウザが少なかったため、すぐには普及しませんでした。2000年に入ってから、Internet ExplorerがCSS level1をサポートするようになり、それまでのテーブルレイアウトを使ったデザイン手法に代わり、CSSは一気に広がりを見せます。
1997

W3C、「HTML 3.2」勧告マークアップ

HTML 3.2では表組や装飾が利用できるようになり、Javaアプレットなど使えるようになったため、Intertnet ExplorerやNetscape Navigatorでは、HTTPを利用せずともインタラクティブな操作や動きのなる表示などをWebページで実践できるようになりました。

国内にてダイアルアップ接続に変わる「ADSL」登場

ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line、非対称デジタル加入者線)は、アナログ回線を利用して、ダウンロード1MBほどの回線速度が可能になる、当時としてはより高速インターネット回線です。

国内では長野県で初のADSLサービスの実験、商用利用が始まりました。

Microsoft、「Internet Explorer 4.0」リリースブラウザ

Internet Explorer 4.0は、HTML 4.01に対応、CSS1には完全対応しました。Windows 98に標準で搭載されたため、市場シェアを大きく増やしました。

Macromedia、「Dreamweaver」リリースソフト

Dreamweaverは、Webページ作成のためのオーサリングツールです。Webページを、結果のプレビューを見ながら、ソースコードを記述しなくても編集作業を進めることができます。その後、2005年にMacromediaをAdobeが買収したため、現在は、Adobe Dreamweaver®に名称が変わっています。

W3C、「HTML 4.0」勧告マークアップ

HTML 4.0は、前身の3.2からフォームやテーブルの拡張、インラインフレームやスクリプト言語のサポートが行われました。当時の雑誌記事には「今回の勧告により、Netscape CommunicationsとMicrosoftによるHTMLの独自拡張の流れに一応は終止符が打たれることになる」と書かれていました。

デーブ・ワイナー氏、「RSS」の原型公開

ソフトウェア開発者のデーブ・ワイナー氏は、「よりタイムリーに情報を提供したい」という願望からRSSの原型となるXMLシンジケーションフォーマットを設計および実装し、自身のWebサイト「Scripting News」で活用を始めました。その後、本サービスはRSS(Rich Site Summary、他の表現もあり)という名称で、Netscape Communications向けにも開発が進みました。

1998

W3C、「XML 1.0」勧告マークアップ

XMLは、Extensible Markup Languageの略で、ユーザーが独自にタグを追加したり、拡張できる機能を持ちます。またUnicodeの採用で、1つの文書の中で複数の言語利用が可能になりました。

W3C、「CSS 2.0」勧告マークアップ

表示媒体が異なった場合、自動的にスタイルシートを変更することが可能になりました。

マイクロソフト「Microsofrt Windows 98」リリースOS・機器

米国に遅れること1カ月後にリリースされました。MS-DOSに基づいた最後のバージョンで、次からは、Windows NTに基づいた構造になりました。

Google創業、法人格取得

1996年にスタンフォード大学生のラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏が原型を開発しました。Googleの登場により、検索順位の決定方式が大きく変化しました。

Macromedia、「Fireworks 1.0」リリースソフト

Webサイト向けのグラフィックソフトです。後にAdobeがMacromediaを買収したので、Adobe Fireworksになりました。

1999

日本のインターネット利用率が21.4%に

その後2003年まで、毎年、約10%の勢いで利用率は増えていきました。

NTTドコモ、「iモード」開始

携帯電話から、IP接続サービス(iモードメールなど)を利用したり、インターネットにアクセスできるようになりました。

Microsoft、「Internet Explorer 5.0」リリースブラウザ

Internet Explorer 5.0は、Netscape Navigtorを抜いて、世界一のシェア(約57%)を獲得したという調査結果が出ました。

西村博之氏、「2ちゃんねる」開設

投稿板の1つでしたが、その後たいへん有名になりました。

W3C、「HTML 4.01」勧告マークアップ

W3Cは、HTML 4.0の仕様が発表したのち、改訂を行いHTML 4.01として勧告しました。国際文字、テキスト方向、句読点、その他世界の言語に関係する表現を、世界で最も広範囲にカバーする規格に対応しており、HTMLの国際化に寄与したと言われています。

2000

「不正アクセス禁止法」施行

不正アクセスとは、主にインターネットからITサービスや機器に対し、ID・パスワードを不正利用する、脆弱性を突いた攻撃を行うなどの行為をさします。本法律はインターネットの重要性に鑑み、こうした行為を禁止するもので総務省が担当しています。

Yahoo!が「Googleの検索エンジン」採用検索エンジン

翌年には、Yahoo! JAPANもGoogleの検索エンジンを採用します。

Googleが日本語の検索サービスを開始検索エンジン

日本初のネット銀行「ジャパンネット銀行」が開業

(当時)さくら銀行を中心に、戦後初の普通銀行免許を取得し開業しました。2021年4月からは、PayPay銀行に社名変更しました。

アマゾンジャパン「Amazon.co.jp」のサービスを国内で開始

本や洋書の販売を開始、翌年には、CD・DVD・ビデオの販売も開始しました。

国会にて「IT基本法」成立

「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」通称IT基本法が設立され、ここから日本国家のIT戦略がいろいろと生まれてきました。

2001-2005

低価格のADSLの普及や光回線の登場で、ネット利用が飛躍的に拡大

ADSL低価格化、光回線の拡大で、2005年のインターネット利用率は70.8%に至り、行政や企業がWebサイトを積極的に開設する時代に突入します。Webデザインでは、リッチでインタラクティブな表現ができるJavaScript・Flashによるサイトが大人気となります。

ブロードバンド元年と呼ばれる2001年からインターネット急拡大

ブロードバンド(高速通信)利用が飛躍的に進んだ時期でした。最初のADSL下り1MBも、当時として高速と言われました。2001年に低額(約4000円)で高速(8MB)なYahoo! BBが登場すると、ブロードバンド加入が急速に増加。3Gの携帯電話や光回線も登場しました。

JavaScript・Flashを多用した動的デザインの全盛期

Webサイトにインタラクティブな表現ができるJavaScriptやFlashが、全盛を迎えます。特にFlashは、導入しやすく、色彩豊かで動的な画像を快適に表示できたため、新しいWebデザイン表現として、企業サイト・サービスサイト・携帯サイトなどが採用し大流行します。

ブログによる情報発信が流行、多様なCMSが登場

日本のブログブームに火がつきます。2003~2004年には、はてなダイアリー・livedoor Blog・Seesaa Blogなどブログサービス立て続けにリリースされ、情報発信できるブログは爆発的な人気となり、2005年には「ブログ」が流行語大賞に選出されました。

2001-2005
2001

ジミー・ウェールズ氏とラリー・サンガー氏、「Wikipedia」開設

インターネット上の百科事典を目指し、Wikipediaが米国で開設されました。

ドリス・バイタルト氏、CMS「Drupal」リリース開発

フリーでオープンソースのCMSとして、Drupalがリリースされました。

内閣官房にIT戦略本部設置

W3C、「XHTML 1.1」勧告マークアップ

XHTMLは、HTML 4をXML形式で定義し直したものと言われています。同時に、日本語など東アジア言語で利用されるルビ機能のためのXHTMLモジュール定義「Ruby Annotation」(ルビ)も勧告されました。

マイクロソフト、「Internet Explorer 6.0」日本語版リリースマークアップ

ウェブ上のプライバシー保護、ウェブ上の画像保存、印刷やメール送信などの操作を容易に、停止や異状終了時にレポート提供といった機能を強化しました。

NTTドコモ、世界初の3Gサービス「FOMA」開始

FOMAは、大容量通信が可能な第3世代移動通信システム(3G)で、NTTドコモが採用したサービス名です。

Six Apart、CMS「Movable Type」リリース

Movable Typeは、ブログ製品の草分けとして知られています。

欧州評議会閣僚委員会会合、「サイバー犯罪条約」採択

サイバー犯罪に対処するための、法的拘束力のある国際文書です。日本も本条約を締結し、2012年11月1日から効力が発生しました。

マイクロソフト、「Windows XP」日本語版リリースOS・機器

Microsoftは、Windows XPにおいて、今までの古い16bitカーネルをやめ、フル32bitのNTカーネルに一本化しました。XPは、「経験、体験」のeXPerienceに由来すると言われています。

フレッツADSL、Yahoo! BBなどADSLが続々リリース

総務省によれば、2001年1月16,194回線だったのが、2001年12月1,524,348回線の94倍に、2003年12月末1000万回線を突破しました(617倍)。

2002

アンダース・ヘルスバーグ氏、プログラミング言語「C#」リリース開発

アンダース・ヘルスバーグ氏が開発し、公開しました。Microsoft「.NET Framework」の一部でもあります。

ブロードバンドインターネット用「FTTH(光回線)」登場

USEN、東西NTT、電力系通信事業者などが、光ファイバーによる、安定して高速な通信が可能なFTTH(Fiber to the Home)接続を都市部で開始しました。

Mozilla.org、Webブラウザ「Mozilla 1.0」 リリースブラウザ

Mozilla 1.0は、オープンソースで開発され、多くのWebの標準規格をサポートしたWebブラウザです。Netscape Navigatorの後継と期待されました。

W3C、「CSS 2.1」草案を発表マークアップ

当初は草案のみでしたが、その後修正が重ねられ、 2011年6月に勧告に至りました。

2003

「個人情報保護法」成立

個人情報とは「生存する個人に関する情報であって、この情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」となっています。本法律は、個人情報の有用性に配慮しながらも、個人の権利利益を保護することを目的としています。

マット・マレンウェッグ氏、マイク・リトル氏、CMS「Word Press」をリリース

著名なオープンソースのCMSです。日本語を含む160以上の地域と言語にて利用されています。

Apple、macOS X専用のブラウザ「Safari 1.0」リリースブラウザ

Appleが開発したWebブラウザです。WebKitなどの、オープンソースソフトウェアをベースにしています。現在は、macOS、iOS、iPadOS、で利用できます。

2004

マーク・ザッカーバーグ氏、「The Facebook」をリリース

The Facebookは、当初「オンライン学生名簿」という役目のWebサイトでした。

イー・マーキュリー、招待制SNS「mixi」サービスを公式に開始

日本発SNSのひとつです。招待制(当時)・日記投稿機能・コメント機能・足あと機能といった、ユーザー同士のつながりを重視したサービスで、高い人気を誇りました。

Google、電子メールサービス「Gmail」開始

Gmailは、無料で利用できるWebメールサービスのひとつで、開始当時、他のWebメールサービスの保存容量が数MBだったのに対し(Hotmailは2MB、Yahooは4MB)、Gmailは1GBとして注目を集めました。日本語版は、2006年8月に一般公開しました。

Yahoo! JAPAN、検索エンジンを独自の「YST」に変更しました。検索エンジン

それまでGoogleの検索エンジンを利用していましたが、自社開発の「YST(Yahoo Search Technology)に変更しました。なおその後、2017年7月に再びGoogleの検索エンジンを採用します。

Apple、Opera Software、Mozilla Foundationの開発者、HTMLの関連技術を開発するコミュニティ「WHATWG」を設立

W3C WHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)は、Web関連技術を取りまとめていたW3Cに不満を持つ技術者たちが立ち上げた、もう1つのWeb技術コミュニティです。

この後HTMLは「W3C が勧告するHTML5」と、WHATWGの「HTML LS(Living Standard)」の2つに分裂する時代に入ります。しかし2019年には、両者は合意を発表し、以降はWHATWGのHTML LSが唯一のHTML標準仕様になりました。

サイバーエージェント、国内向けレンタルブログ「アメーバブログ」サービス開始

2019年、会員数6,000万人以上と、国内で著名なブログサービスの1つです。

Mozilla Foundation、Webブラウザ「Firefox 1.0」リリースブラウザ

Firefoxは、オープンソースのWebブラウザで、1 年足らずで、1億回以上のダウンロードを記録するなど、人気を博しました。Microsoftr Windows、mac OS、Linux、iOS、Androidで動作します。

2005

Adobe、Macromediaを買収ソフト

当時、買収金額は34億ドルと言われました。

アップル、国内にて「iTunes Music Store」サービス開始

iTunes Music Storeは、(当時)音楽プレーヤーiPodのためのネット音楽ショップでした。楽曲数は100万曲を有し、1曲当り150円または200円で提供していました。 この1か月後に、爆発的ヒットになった「iPod nano」が登場します。

フェンリル、タブ切り替え型Webブラウザ「Sleipnir v2.00」リリースブラウザ

Sleipnirは、タブで表示ウィンドウを切り替えられるWebブラウザです。ほとんどの機能を、プラグインで対応するという、先進的な仕組みが特徴でした。

国内インターネットの利用率「70.8%」に

2000年の利用率、37.1%から倍増しました。パソコンと携帯電話等の両端末を利用する層が最も多く、インターネット利用者の57.0%(4,862万人)、携帯電話等のみは22.5%(1,921万人)でした。このときの携帯電話はいわゆるガラケーと呼ばれたものです。

2006-2010

スマートフォン、SNSが登場。ソーシャルメディアが一気に普及

携帯電話・音楽プレーヤー・インターネット端末の機能を備えたApple iPhoneが2007年に登場し、個人の情報や意見の交換がリアルタイムに。さらにSNSのTwitterやFacebookの人気と相まって、個人の発言が社会に大きな影響を及ぼすようになっていきます。

日本におけるスマートフォンの登場によるインターネットの変化

日本で初めて販売されたスマートフォンは2008年のiPhone 3Gです。翌年には台湾HTC製Android OS搭載スマートフォンHT-03Aが発売されます。スマートフォンは、ガラケーに比べ、高機能でアプリなどのサービスが次々と登場するエコシステムなど、ユーザーが享受できるメリットが多く急速にシェアを伸ばしました。また同時期に、屋外でも高速データ通信が可能な3G回線が登場。スマートフォンだけでパソコン並みのインターネット利用が可能になり、インターネット利用者はさらに拡大。情報受発信のスピードも加速していきます。

TwitterやFacebookといったソーシャルメディアの普及

2008年にTwitterとFacebookの日本向けサービスが開始しました。Twitterは短文の文字制限による手軽さ、2010年登場のリツイート機能で情報拡散しやすいメリットから人気を博し、Facebookは実名や本人写真での登録義務などから信頼性を得て、それぞれが多数のユーザーを獲得しました。誰もが情報発信ができ、発信者と受信者の双方向コミュニケーションが容易なソーシャルメディアは、発信のみのマスメディアとは異なり、個人が社会に影響を及ぼせる新しい情報空間を創りだしました。

Webサイトの重要性と共に、CSSが主流に

Webサイトの重要性が増して、制作のためのCMS導入や集客のためのSEO対策の需要が高まりました。デザイン面でも、テーブルレイアウトでの構築は限界を迎え、構造と見た目をわけるCSSがアクセシビリティやメンテナンスから主流の時代へ入ります。短いコードでHTMLやCSSを操作でき効率もよいjQueryでの凝った演出もこの頃人気でした。スマートフォンに適したレスポンシブデザインは、2010年ごろから注目され始めました。

2006-2010
2006

Amazon.com、「Amazon Web Services(AWS)」公開

当初提供したのは、メッセージキューサービスの「Amazon Simple Queue Service(SQS)」と、ストレージサービスの「Amazon Simple Storage Service(S3)」の2つだけでした。

ジョン・レシグ氏とjQueryチーム、「jQuery」発表開発

JavaScript用のライブラリです。JavaScriptコードをより容易に記述できるようになりました。

マイクロソフト、「Internet Explorer 7.0」リリースブラウザ

IE 7は、ユーザー インターフェイスのデザインとレイアウトを変更しました。セキュリティ保護機能もより多く実装し、タブブラウズ機能にも対応しました。

ドワンゴ、「ニコニコ動画」サービス開始

日本の代表的な動画共有サイトの1つです。動画の上にコメントを表示できる機能が特徴です。

2007

YouTube、日本語版「YouTube」サービス開始

日本語版は、使い方や利用規約まで、すべて日本語になりました。米国でのサービス開始は、2005年です。

Apple、「iPhone」発表

ディスプレイをタッチする操作や、通話だけでなく簡単にインターネットサービスが利用できる「iPhone」の登場で、ネット利用者が爆発的に拡大しました。アプリ開発やレスポンシブ対応などが重要になり、Web制作にも大きな影響を及ばします。

Ustream.tv、動画共有サービス「Ustream」サービス開始

動画のストリーミングサービスだけでなく、視聴者とのチャットや投票機能なども利用できました。

Googleら、スマートフォン用OSを含むプラットフォーム「Android」発表

Androidは、主にスマートフォンやタブレットといった、タッチスクリーンを持つモバイルデバイス向けのオープンソースOSです。Googleや通信会社などによる規格団体「Open Handset Alliance」が発表しました。

2008

Apple、CSS3モジュールのアニメーションやCSS Web Fontsをサポートした「Safari 3.1」リリースブラウザ

当時、ライバルwebブラウザより高速と喧伝しました。Mac OS版とWindows版の両方があり、HTML5で規定している動画および音声タグなどに対応しています。

GitHub、ソースコードのホスティングサービス「GitHub」誕生開発

ソースコードのバージョン管理にGitを利用する、ソフトウェア開発のプラットフォームです。GitHubにソースコードをホストすれば、複数のソフトウエア開発者と一緒にコードをレビューしたり、バージョンを管理しながら開発ができます。

デジタルガレージとTwitter、日本語版「Twitter」サービス開始

メニュー表記やユーザインターフェースが日本語化されました。

Facebook、日本語版「Facebook」サービス開始

世界的に著名なSNS「Twitter」「Facebook」が国内に登場します。ソーシャルメディアの需要が一気に加速していきます。

Dropbox、データの共有サービス「Dropbox」サービス開始

オンライン上のストレージと複数のローカルコンピュータの間で、データの共有や同期を可能にしました。

Google、クロスプラットフォームのWebブラウザ「Chrome 1.0」リリースブラウザ

Googleが開発したWebブラウザです。世界100カ国以上で同時に公開を行い、その後、すぐに1000万人のユーザーが利用したと発表しました。

2009

マイクロソフト、「Internet Explorer 8.0」リリースブラウザ

セキュリティを強化し、プライベート閲覧モードが加わりました。ウェブ標準への対応を強化しました。

Mozilla foundation、Firefox 3.5にHTML5の一部機能を実装ブラウザ

Google、オープンソースのプログラミング言語「Go」発表開発

Googleがサポートする、オープンソースのプログラミング言語です。同社は「Build simple, secure, scalable systems with Go(シンプル、セキュア、スケーラブルなシステムをGoで構築しましょう)」と、Goを紹介しました。

2010

ヤフー、Yahoo! JAPANに「Google検索エンジンと検索連動型広告配信システム」採用検索エンジン

米国Yahoo!ではMicrosoftのBingを検索エンジンに利用するとしていましたが、Yahoo!JapanはGoogleを選択しました。

国際電気通信連合(ITU)、4Gに当たる無線通信システムを承認

ITUは、LTEの次の規格である LTE-Advancedと、WiMAXの次の規格である MiMAX2 を、IMT-Advancedとして正式に承認しました。IMT-Advancedとは、3G無線通信システムの規格IMT-2000の次と言われたものです。3Gの次ですので、4Gという名称で呼ばれました。

2011-2015

マルチデバイスの浸透。良質なWebページを求める時代に

国内のスマートフォン世帯保有率は2011年から5年間で29.3%から72%に。ブラウザや検索機能をリードするGoogleのインターネットへの影響力が強まり、その指標に沿った良質なWebページやレスポンシブへの対応が、検索結果の上位表示のために必要となっていきます。

PCブラウザはGoogle Chromeがシェアを拡大

2013年には、Internet Explorerを超えてGoogle Chromeが高いシェアを獲得します。その理由として、スピードが早く安定しており、Androidスマートフォンの標準ブラウザだったという背景があります。また、Googleは「ブラウザですべての作業ができる」ように、Googleドキュメントやスプレッドシート等のツールをオンラインで利用できるようにし、Webブラウザだけではない、新しいITプラットフォームとして自社サービスを展開しました。

検索エンジンはGoogleが一強、良質なWebページを重視

検索エンジンの国内シェアは、Googleが約58.5%、Googleの検索エンジンを採用しているYahoo!Japanが約39%(2015年5月時点)とGoogleが独占。Googleはよりよいユーザーの意図を汲んだ検索結果を提供するため、サイト品質の向上を推奨しました。レスポンシブ対応・リンクの質・サイテーションといった指標を増やし、2010年以降から頻繁にアルゴリズムアップデートを行います。

Webデザインは、レスポンシブ対応へ

国内のスマートフォン世帯保有率は2011年から5年間で29.3%から72%に。2015年にGoogleがモバイルフレンドリーの指標を導入すると、スマートフォンのWebサイトはレスポンシブ対応が必須になり、可変に対応できるグリッドレイアウトがWebデザインで使われるようになっていきます。

また、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツが上位表示されることから、その動向を知るためのWeb解析が重要になり、CMSがマーケティングツールとして活用されるようになります。Web制作は単にページを作成することから、ユーザーのニーズを理解した良質なコンテンツやレイアウトが求められる時代になります。

2011-2015
2011

Google、検索アルゴリズムを変更する「パンダアップデート」実施

本アップデートは、良質なWebサイトの検索順位を向上させるためのもので、キーワードの羅列や広告が過剰といった低品質なページを上位表示させないようにしました。

「東日本大震災」発生

被災地における災害関連情報や安否確認において、当時インターネットが役立ちました。災害発生から72時間、国や自治体、気象庁などは、インターネット網や専用回線を通じ緊急速報メールを送信しました。2時間後には「Google パーソンファインダー」のサービスが立ち上がり、多くの人が安否確認に利用しました。TwitterやFacebookといったソーシャルメディアを活用した情報提供も利用されました。

マイクロソフト、「Internet Explorer 9.0」リリースブラウザ

HTML5やCSS3といった次世代Web標準技術の対応が強化されました。ユーザー インターフェイスの整理も行われ、以前よりもウェブ サイトを広く表示できるようになりました。

W3C、「CSS Level3のモジュール」公開マークアップ

CSS3以降、仕様がモジュール(部品)単位で策定される形に変更になりました。この年、CSS Color Module Level 3(6月)やSelectors Level 3(9月)などが勧告されました。

NHN Japan、モバイルメッセンジャーアプリ「LINE」サービス開始

親しみやすい画面校正、キャラクターを利用したコミュニケーションなど、ユニークな特徴が好まれ、大ヒットしました。

Bootstrapチーム、Webフレームワーク「Bootstrap」公開

Bootstrapは、ボタンやテーブルといった、ホームページを構築する機能の枠組みを提供するものです。Twitterのマーク・オット氏とヤコブ・ソーントン氏が中心になり開発しました。

Google、Webアプリやモバイルアプリ向けのプログラミング言語「Dart」公開開発

JavaScriptの代替を目的に開発されました。

2012

Google、検索アルゴリズムを変更する「ペンギンアップデート」実施検索エンジン

本アップデートは、自演リンク・過度な相互リンク・特定のキーワードを詰め込んだスパムページを上位表示させないものです。検索アルゴリズムを、Webサイトの質を判断する形にアップデートしました。

マイクロソフト、フラットデザインを採用した「Windows 8」リリースOS・機器

同時期にWindows ストア、Microsoft アカウント、OneDriveの提供など、総合的なサービスも提供されました。パソコン以外の、タブレットといった端末を意識したデザインが特徴です。

日本、「サイバー犯罪に関する条約」の効力が発生

国会は、2004年に締結することを承認し、2012年7月に欧州評議会に受諾書を寄託しました。

2013

総務省、「日本のインターネット普及率82.8%」発表

50代以下の世代でスマートフォンの伸びが顕著になりました。13〜59歳のインターネット利用率は9割を超えました。

マイクロソフト、「Internet Explorer 10.0」リリースブラウザ

Adobe、自社サービスをサブスクリプションで提供する「Creative Cloud®」完全移行ソフト

Adobe Creative Cloud(アドビ クリエイティブ クラウド)とは、同社のグラフィックデザイン、動画編集、ウェブデザイン用のソフトウェアなどをサブスクリプション方式で提供するサービスの名称です。Adobe CCと称されています。CC以降は、主たるソフトウェアの単品購入ができなくなりました。

Apple、フラットデザインを採用した「iOS 7」リリースOS・機器

よりフラットなデザインのアイコン、スライド式のロック解除機能、新しいアニメーションなどを持つ新デザイン「フラットデザイン」が採用されました。

Google、新しい検索アルゴリズム「ハミングバード」導入を発表検索エンジン

ハミングバードは、音声検索やスマートスピーカーなどで多様化した検索クエリに対して、会話型検索の処理能力の向上を目的としたアルゴリズムです。単純な文字列中心の検索から、文の意味を反映して文字列を理解するようになり、より人間の意志に近い検索になったと言われています。

マイクロソフト、Internet Explorerの最終バージョン「11」リリースブラウザ

ページ読み込みの高速化などが行われました。この後、MicrosoftのWebブラウザは、Microsoft Edgeに移行します。

2014

日本語版公式インスタグラムアカウント「@instagramjapan」開設

Facebook、オープンソースのプログラミング言語「Hack」リリース開発

同社が開発したPHPの実行環境「HipHop仮想マシン」で動作する言語です。Web開発で多くが利用しているPHPとシームレスに連携できる点が特徴です。

Apple、OS X、iOS向けプログラミング言語「Swift」リリース開発

同社は、コーディングをインタラクティブに行え、高速なアプリを構築可能と喧伝しました。2016年には、Swiftによるコーディングを学べる、Swift Playgroundsという名称のiPad専用のアプリ開発環境を発表しました。

Google、「HTTPSをランキングシグナルに使用」というメッセージ発表検索エンジン

Googleは、暗号化された安全な接続方法をサイトが使用していることを、検索のランキング・アルゴリズムのシグナルにすると発表しました。常時SSL化されたWebサイトが検索結果で優遇されることが明確になりました。

W3C、「HTML5.0」勧告マークアップ

開発者は、HTML5.0は、写真や動画の共有、ニュースの入手、情報の検索といった行為を、どこからでも、どのデバイスからでもできることを目標にしたと紹介しました。

2015

Google、検索アルゴリズムに「モバイルフレンドリー」導入マークアップ

本アルゴリズムは、モバイル版での検索結果において、スマートフォンでの閲覧に適しているページの検索順位が上がるものです。

マイクロソフト、「Microsoft Edge」リリースブラウザ

Microsoftの新世代のWebブラウザです。Windowsはもちろん、Linux、macOS、iOS、Android のサポート対象のバージョンで利用できます。

日本年金機構、「情報漏洩事件の発生」公表

マルウェアによる不正アクセスで、日本年金機構から基礎年金番号を含む約125万件の個人情報が流出しました。サイバー攻撃の脅威が国会で議論されるなど、サイバーセキュリティ政策への意識が高まる事件でした。

2016-2022

モノとインターネットがつながり、Webデザインも組織的に

PCやスマートフォンだけでなく、家電・自動車・ビルなどモノがネットワークにつながり、データの流れが大きく広がりました。コンピュータ上のWebデザインだけでなく、システムやサービスも含めて、顧客の体験を重要視するCXやUX/UIに取り組む傾向が強まります。

モノがつながり、データ活用が推奨される時代へ

無線やセンサーなどのデバイスコストの低減、スマートフォンの普及、BluetoothやWi-Fiといった通信手段の高性能化によって、各種デバイスの連携が容易になりました。また、IT技術の高度化によって開発が高速になった時代背景から、建設・運輸・医療など、あらゆる事業領域においてネットワーク化が拡大。2018年には経済産業省から、デジタル技術による経営・ビジネスプロセスの再構築を推奨する「DXレポート」が公表されました。IoTやAIの実用化が進み、データに基づく課題発見や意思決定、ビジネスの構築、また業務システムのIT化といった変革が押し寄せる時代に入ります。

2020年には新型コロナウイルスによる疾患が脅威となり、非接触志向が好まれ、テレワーク導入、EC利用の増大、従来業務のデジタル化が一気に拡大しました。

Webサイトはマーケティングにおいても重要に

Webサイトは企業やサービスの情報発信の役目だけでなく、消費者の行動データを収集し分析をするマーケティングにおいても重要な役割を担っていきます。Webアクセスを解析し、その結果を基にユーザーが快適な消費行動を起こせるようなUX/UIデザインを構築するといった、組織的な体制が必要になり、経営・マーケティング・デザイン・開発が、顧客から見てシームレスにつながるUX体制が推奨されます。また、マーケティングや制作進行のSaaSを利用するなど、オンライン上で状況把握や連携をスムーズにするシステムの導入も加速します。

UX/UIは、Webサイトだけでなく、サービス・業務・製造などのシステム開発においても、操作性・優位性を高める点でより重要視されるようになります。

2016-2022
2016

総務省、「日本のインターネット普及率83.5%」発表

国内では、1億84万人がインターネットを利用するようになりました。端末別で見ると「パソコン」が58.6%、次いで「スマートフォン」が57.9%とほぼ横並びになりました。

2017

ByteDance、動画中心のSNS「TikTok」リリース

BGMに合わせた動画を編集して、オリジナル動画が作れる機能が人気で、2018年のApp Storeの無料アプリダウンロード数ランキングで1位になりました。

Adobe、ウェブデザインツール「Adobe XD」リリースソフト

Adobe XD(Adobe Experience Design)は、Webサイト、モバイルアプリ、音声デバイスなどのためのUI/UXデザインツールです。

Slack、「日本語版Slack」リリース

ホーム画面、各種設定画面、操作用のボタンなどが日本語表示になりました。

2018

W3C、「CSS4(CSS Fonts Module Level 4)」草案公開マークアップ

文書中のフォントを選定して利用できるモジュールです。

Google、オープンソースの日本語フォント「Noto Fonts」など正式サポートデザイン

Noto Sans JPほか、8種の日本語フォントが用意されました。商用利用でも無料です。

2019

電通、「日本のインターネット広告費が2兆円を超え、テレビを逆転」と発表

2019年は、インターネット広告費が2兆1048億円、テレビメディア広告費が1兆8612億円と推定されました。前年は、イ広は1兆7589億円、テ広は1兆9123億円でした。※発表自体は2020年3月。

2020

日本、「新型コロナウイルス」発生

コロナ禍によるリモート勤務のため、Zoom、Microsoft Teams、Google MeetなどWeb会議システムが急速に普及しました。ライフスタイルでもデジタルシフトが進み、接触がないECを利用した消費活動が活発になりました。インターネットの活用が少なかった高齢者層の利用も拡大しました。

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、「5Gサービス」開始

4Gを上回る性能の5G通信サービスが始まりました。高速通信が特徴で、4Gの下り通信速度、最大1Gbpsに対し、5Gは最大10~20Gbpsといわれました。

2021

W3C、HTMLの仕様として「HTML Living Standard」勧告マークアップ

HTMLの仕様として「W3CのHTML5」と「WHATWGのHTML Living Standard」の2つが併存する時代が続きましたが、これによりW3Cが策定を行ってきたHTML規格は全て廃止になりました。これからはWHATWGがHTMLの仕様を規定することになりました。

2022

Figma Japan、デザインコラボレーションツール「Figma」日本語版を発表ソフト

Figma(フィグマ)は、ブラウザ上で共同編集できるWeb用のデザインプラットフォームです。同時に、オンラインホワイトボードツール「FigJam(フィグジャム)」もリリースしました。Adobeは、2022年9月、Figmaの買収合意について発表しました。

Google、「ヘルプフル コンテンツ アップデート」導入を発表検索エンジン

ヘルプフル コンテンツ アップデートとは、ユーザーに満足感を与えるコンテンツを高く評価するものです。ユーザーの期待に応えていないコンテンツとの差別化が目的です。Googleは、Webコンテンツが良い評価を得られるには、検索エンジン向けではなくユーザー向けにコンテンツを作成することだとメッセージしています。

  • 「Hotmail」「Internet Explorer」「Microsoft」「Microsoft Edge」「Microsoft Teams」「Windows」および「Windows XP」は、マイクロソフト グループの企業の商標です。
  • 「テレホーダイ」は日本電信電話株式会社の登録商標です。
  • Adobe、Adobe Illustrator、Photoshop、Acrobat、After Effects、Flash、Dreamweaver、Creative CloudおよびAdobe XDは、Adobeの登録商標です。
  • 「Python」はPython Software Foundationの登録商標です。
  • 「Yahoo!」はYahoo! Inc.の商標または登録商標です。
  • 「Netscape」は米国およびその他の国におけるNetscape Communications Corporationの商標または登録商標です。
  • 「W3C」は多数の国におけるMIT、ERCIM、KeioおよびBeihangの商標または登録商標です。
  • 「Oracle」、「Java」および「JavaScript」は、オラクルおよびその関連会社の登録商標です。その他の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
  • 「AMAZON」は、Amazon Services LLCおよびその関連会社の商標です。
  • 「iモード」および「FOMA」は株式会社NTTドコモの登録商標です。
  • 「Movable Type」は Six Apart Ltd. の商標または登録商標です。
  • 「Drupal」はDries Buytaertの商標または登録商標です。
  • 「Mozilla」および「Firefox」はMozilla Foundationの米国およびそのほかの国における商標または登録商標です。
  • 「iTunes」「iTunes Music Store」「iOS」「iPhone」「Macintosh」「macOS」「Safari」は米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
  • 「Facebook」および「Instagram」はMeta Platforms, Inc.またはその関連会社の登録商標です。
  • 「Twitter」はTwitter Inc.またはその関連会社の商標または登録商標です。
  • 「Android」はGoogle LLCの商標または登録商標です。
  • 「Amazon Web Services」および「AWS」は、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
  • 「Ustream」は多数の国における International Business Machines Corporationの商標または登録商標です。
  • 「WiMAX」はWiMAXフォーラムの商標または登録商標です。
  • 「LINE」はLINE株式会社の登録商標です。
  • 「Dart」はGoogle LLCの登録商標です。
  • 「Swift」はS.W.I.F.T. SCの商標または登録商標です。
  • 「Slack」は米国および他の国々で登録されたSlack Technologies, Inc.商標です。
  • 「Zoom」はZoom Video Communications, Inc.の商標または登録商標です。

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