追憶の中に紡がれた言葉たち。
モノトーンの風景を照らすヘッドライトのような口跡。

それらは現実を呼び起こすのか、陽炎を見せるのか。

コンテンツマーケティングという名の漆黒の闇は
眠らぬ都会をあざ笑うかの如く、言の葉を鎖につなぐ。

さあ、行こうか。
あらたな戦いの地へ。

沈黙のWebライティング PAFE01「SEOライティングの鼓動」

病院の中

	サツキ(シルエット)

お父さん!!お母さん!!
目を開けてよ・・・!!

医者

残念ながらおふたりはもう・・・。

ムツミ(シルエット)

親父・・・!
お袋・・・!

	サツキ(シルエット)

私・・・まだまだ、お父さんたちに教えてもらいたいことがたくさんあるのに・・・!!
なんで、私たちを置いて逝っちゃうの・・・!!!

ねえ・・・なんで・・・!!

客

・・・かみ・・・若女将・・・?

サツキ

・・・あっ!

客

どうしたんだ?
今、ボーッとしてたよ。

サツキ

も、申し訳ありません・・・!

客

いやいや、若女将も疲れることがあるんだろう。

むふぅ~、いやはや、しかし、この“みやび屋”の料理はいつ食べても美味いな。

サツキ

ありがとうございます・・・!
お気に召していただき、大変恐縮です。

あっ、こちら、よろしければ、当館からのサービスでございます。

客と談笑しながら、地酒の「喝采」を出す、若女将

客

おっ!
こりゃあ、須原の地酒「喝采」じゃないか!
ほおおお、こりゃあうれしいね。

客

・・・しかし、若女将、大変だったな。
まさか、大旦那と女将があんなことになってしまうとはな・・・。

あの事故からもう半年か・・・。

サツキ

・・・はい・・・。

客

おっと、すまねえ、若女将。
つい酒が回ってしまって、ツラいことを思い出させてしまった。

この旅館はな、俺にとって、思い出の旅館なんだ。

須原の中で3つの指に入る温泉旅館「みやび屋」。
ここにはな、実は先代の頃から毎年一回は通ってんだ。

最初に訪れたのは、嫁さんとの新婚旅行だっけな。

あの頃、俺は貧乏で、海外旅行へなんてとてもじゃないけど行けなかった。
そこで、国内で旅行先を探し、この須原を訪れることにしたんだ。

「新婚旅行で来た」と言った俺たちのために、ここみやび屋の旦那はとびきりのご馳走を用意し、心から歓迎してくれたもんだ。

旦那の懐の深さに惚れた俺は、それ以来、毎年この時期になると、この宿を訪れることにしているのさ。

サツキ

そうでしたか・・・。
今年も当館へお泊まりいただき、本当にありがとうございます。

客

若女将よ、旅館の経営は大変だと思うが、なんとか、この旅館を守っていってくれよ。
頼んだぞ。

サツキ

はいっ・・・!



サツキの部屋

サツキ

お父さんとお母さんが亡くなってから、もう半年か・・・。
私、ちゃんと女将を務められているかな・・・。

サツキ

あ、いけない、ホームページからの予約数を確認していなかったわ。

みやび屋のサイト

サツキ

えーと・・・。
今日のホームページからのご予約は・・・。

2件か・・・。
はぁぁぁ・・・。

サツキ

・・・。

あ、そうだ!
今夜はたしかムツミが帰ってくる日だったわね。

ガラララッ!

ムツミ(シルエット)

ただいま帰りましたよ~っと!

サツキ

この声は・・・。

ムツミ

アネキ~、どこにいるんだい?

サツキ

ムツミ!

ムツミ

アネキ~!

颯爽と帰ってきた睦美(ムツミ)

サツキ

もうっ、帰ってくる時間くらい教えてくれれば、駅まで迎えに行ったのに。

ムツミ

へへへ、俺なんかのために大切な送迎車を使っちゃったら、お客さんが困るだろ?

サツキ

お客さんっていっても、今日は2組のお客様しか宿泊されていないの。

ムツミ

2組・・・。

サツキ

さあさ、早く荷物を置いて上がりなさい。
お茶でも入れるから。

ムツミ

ういっす!



茶

サツキ

それにしてもビックリしたわよ。
夢だったミュージシャンへの道をあきらめて、突然、ここへ戻ってくるって聞いたときは。

ムツミ

へへへ・・・。
まあ、親父の反対押し切って威勢よく上京したものの、オレのバンドのサウンドを理解してくれるプロデューサーに巡り会えなくてさ。
最近は都会の空気にも飽きてきたし、そろそろ帰ろうかと思ってたんだ。

サツキ

そうなのね。

ムツミ

それにしても、親父とお袋が死んでから、もう半年か・・・。
親父たちには随分心配をかけたな・・・。

サツキ

ムツミ・・・。

ムツミ

親父には結局、最後まで反対されたままだったけど、親父を説得してくれたのはアネキだった。
本来、この旅館を継ぐのは長男であるオレの役割だったのに、「私がこの旅館を継ぐから」と言ってくれた。
本当に感謝してるぜ。

サツキ

ううん、私ってさ、ほら、とくに取り柄がないから。
ムツミには音楽の才能があるわけだし。

サツキ

あっ、そうそう!
お父さんとお母さん、実はね、ムツミが上京してから、こっそりムツミの音楽活動を追ってたのよ。
こっそりムツミのバンドのホームページとか覗いちゃったりして。

ムツミ

えっ!?
そうだったのか!?

なんだよ、親父たち・・・。

ムツミ

・・・アネキ。

ここに来る前にメールしていたように、オレはここで働くぜ。

これまで好き勝手させてもらったんだ。
アネキにはこれ以上苦労させるわけにはいかねえ。

サツキ

だから、私は大丈夫って言ってるじゃない。

それよりムツミ、あなた、ミュージシャンの夢・・・本当にあきらめちゃうの?

ムツミ

ああ。
もうキレイさっぱり未練はないさ!

サツキ

・・・。

あれだけ音楽が好きだったムツミが、ミュージシャンを辞めちゃうなんて、信じられないけど・・・。

あのね、何度も言うとおり、うちの旅館のことは心配しなくても大丈夫よ。
最近、ようやく軌道に乗ってきたところだし。

ムツミ

・・・。

・・・アネキ、今日は“2組しか宿泊していない”って言ってたよな。

今日は土曜だぜ。
土曜にこんなに宿泊客が少なくて、本当に大丈夫なのかよ?

サツキ

そ、それは・・・。

ムツミ

・・・まあ、安心しろよ。

実はオレ「Webマーケティング」に詳しいんだぜ。
この旅館にもっと人が来るようにしてやるよ!

サツキ

Webマーケティング・・・?

ムツミ

ああ、うちのWebサイトをもっと多くの人に見てもらうようにするってことさ。

オレさあ、バンド活動をしていた頃、実はバンドのWebサイトの担当だったんだ。
ファンを増やすために、Webサイトでいろいろな情報を発信してたんだぜ。

サツキ

そうだったのね。

ムツミ

まあ、詳しいことはオレに任せて、アネキは大船に乗ったつもりでいてくれよな!

サツキ

・・・分かったわ。

ムツミ

さて・・・と。
じゃあ、早速、うちのサイトの状態でもチェックするかな。
そこのパソコン借りるぜ。

ムツミ

アネキ、たしか、うちの旅館は「旅休トラベル」への掲載は止めたんだったよな。

旅休トラベル

サツキ

うん・・・。
月額費用や予約手数料が年々高くなってきていたから、契約更新しなかったの・・・。

ムツミ

なるほど・・・。
じゃあ、今のところ、Webからの集客はうちの旅館のサイトからのみってわけか。

ムツミ

あ、うちのサイトには「アクセス解析」は入ってるか?

サツキ

アクセス解析?
あ、ホームページにどれくらいの人が来ているかを見る画面のこと?
え・・・と、たしか、うちのホームページを作ってくれた業者さんが設定してくれていたはずよ。

あ、これだわ。

はい、これがIDとパスワード。

ムツミ

サンキュ。

なるほど、Google Analyticsを入れてんだな。

よっしゃ、ログインしたぜ。

アクセス解析

説明しよう!

「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」とは、Googleが提供している無料のアクセス解析サービスのことである。

サイトにどれだけのユーザーが訪れたか? また、そのユーザーはどういったメディアを経由して訪れたか? といったデータを確認することができる。

ムツミ

なんだこりゃ!?
1日に20人くらいしか来てねーじゃねーか!

サツキ

えっ?
それって少ないの?

ムツミ

当たり前さ・・・。
1日に20人しか来てないってことは、10人に1人が予約してくれたとしても、1日2組しか予約が入らないことになるぜ。

サツキ

えっ・・・!
(だから、近頃ほとんど予約が入らなくなってたのかしら・・・)

ムツミ

うーん、うちのサイト、こうやって分析してみると、問題がいっぱいありそうだな・・・。

サツキ

そ、そうなの・・・?

ムツミ

ま、いいや。

とりあえずはオレに任せてくれよな。

じゃあ、オレ、ちょっくら頭をリフレッシュさせるために、ひとっ風呂浴びてくるわ。

サツキ

えっ!?
ちょ、ちょっと、ムツミ、今はまだお客様がお風呂を利用なさる時間よ。

ムツミ

まあまあ。
今日は2組しか泊まっていないんだろ?

今の時間だったら、多分、誰も入ってこないさ。

つーわけで、ひとっ風呂浴びてきま~っす。

サツキ

んもう・・・。



風呂場の入り口

ムツミ

さてとっ!
ひっさびさの我が家の温泉だぜ。
やっぱ自分ちに温泉があるってのは贅沢だよな~。

ムツミ

フン♪フン♪フ~ン♪っと。

ガラガラガラ

ムツミ

ん?

んんんんん!!!?

風呂に気持ちよさそうに浸かっているヴェロニカ

ムツミ

・・・!!!!!!!

バンッ!

ムツミ

な、なななななななな、なんで、女の人が入っているんだ!?

ムツミ

・・・!

ムツミ

もしかして、今の時間帯、この風呂、女湯になってんのか・・・。
脱衣所にほかの人の服があるかちゃんと確認すりゃよかった・・・。

ムツミ

・・・また後で入りに来よう・・・。

ムツミ

しかし・・・キレイな姉ちゃんだったなあ・・・。

風呂に浸かっているヴェロニカを回想



ムツミが泊まっている部屋

ムツミ

さっきは本当にビビったぜ・・・。

さーてと、気を取り直して、うちのサイトのアクセス解析でも見るか。

ムツミ

ふーん、なるほどね。
ここからのアクセスが少ないってわけか・・・。

ムツミ

よし!

まずは検索経由の集客の改善だな。
SEO(検索エンジン最適化)を軸にコンテンツを改修していくとすっか!

説明しよう!

「SEO」とは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略称であり、Webサイトが検索結果でより多く露出する(上位表示する)ためにおこなう一連の施策を指す。

ムツミ

(実はオレ、ここに来る前に、栃木の温泉旅館のサイトをいくつかチェックしてきたんだよね。
SEOに力を入れているサイトはとくになさそうだったし、SEOさえなんとかすれば、うちのサイトはきっとよくなるはずだぜ)



事務室

サツキ

お父さん、お母さん。
ムツミがね、帰ってきてくれたんだよ。
うちのホームページをなんとかしてくれるんだって。

サツキ

でもね、うちの旅館、もうダメかもしれない・・・。
ムツミには隠していたんだけど、私が女将になってから、お客さんが減ってるの・・・。

やっぱり、私じゃダメなのかな・・・。
お父さんたちが大事にしてきた旅館なのに・・・!

涙を流すサツキ



その頃、温泉を後にしたあの女性は、誰かと電話をしていた。

ヴェロニカ

ボーン、やっぱり、例の信号はこの旅館の一帯から出ているみたい。

電話をしているヴェロニカ

ボーン(シルエット)

・・・OK、ヴェロニカ。
オレもそちらへ向かう。



次の朝

ムツミ

アネキ、おっはよー!

サツキ

あら、ムツミ、早いのね。

ムツミ

早いもなにも、今日からはオレもこの旅館の一員として働くんだからな。
女将の弟だからといって、初日から重役出勤っていうわけにはいかないぜ。

サツキ

ふふふ。

ムツミ

それはそうと、アネキ、オレ、うちのサイトを早速テコ入れしてみたんだ。

サツキ

テコ入れ?

ムツミ

ああ、きっと近々、うちのサイトは「栃木 温泉」というキーワードで検索した際、上位表示し始めるぜ。

サツキ

「栃木 温泉」で検索すると上位表示?
そ、そんなこと可能なの?

ムツミ

へへへ~。
それが可能なのさ。

「SEO(検索エンジン最適化)」をおこなったからな。

サツキ

SEO?

ムツミ

ああ、検索エンジンで特定のキーワードを検索した際、そのキーワードで自分のサイトが上位表示しやすいように、サイトの中の文章などを書き換える作業のことさ。

サツキ

じゃあ、うちのホームページを、そのSEOの効果が出るように触ってくれたってことなのね。

ムツミ

ああ。
改修後のサイトを見てみるかい?

「栃木 温泉」という言葉が至るところに散りばめられている、みやび屋のサイト

サツキ

え・・・と。

「栃木の温泉旅館みやび屋は栃木県須原にある温泉旅館でございます。創業から90年経った今も、栃木の温泉旅館の変わらぬ湯風景を守り続けております」

・・・。
なんだか、文章が不自然な感じがするんだけど・・・・。

そのSEOというものの効果を出すためには、「栃木 温泉」ってキーワードをこんなに入れなくちゃいけないの?

ムツミ

ああ、そうさ。
ちょっとくらい見栄えが悪くなっても、キーワードを詰め込むことが大事なんだ。
SEOにおいてはキーワードの出現率が大事。
一般的には、文章に対して5%前後がいいって言われているぜ。

サツキ

5%・・・!
そんな明確な数字があるのね。

ムツミ

まあ、あくまでも目標値だけどな。
何にせよ、文章が多少変だったとしても、検索エンジンからのアクセスが増えたほうがうれしいだろ?

サツキ

そ、それはそうかもしれないけれど・・・。

ボーン(シルエット)

女将はいるか。

ムツミ

!?

ボーンとヴェロニカ

ムツミ

な、なななななな、なんだこの人・・・!!?

サツキ

あ、も、もしかして・・・片桐さんでしょうか?
ヴェロニカさんのお連れの方ですよね。

ボーン

ああ。

ムツミ

(このオッサンの横にいる女の人、昨日、風呂で見かけた姉ちゃんじゃねーか。
このオッサンとどういう関係なんだ・・・?)

ヴェロニカ

朝早くからごめんなさいね。

サツキ

いえいえ、大丈夫です。
ちょうどフロント業務を始めようとしていたところですから。

サツキ

それでは、片桐様のチェックインのお手続きをさせていただきますね。

え・・・と、ボーン・片桐様、ヴェロニカ様と同じお部屋で13泊ということですね。

ヴェロニカ

ええ。

ムツミ

(ヴェロニカ・・・?
外国の人なのか・・・?
たしかに顔はハーフっぽいけどな・・・)

サツキ

片桐様、こちらがお部屋の鍵でございます。
お部屋の設備に関しましては・・・。

ヴェロニカ

あ、それは私から彼に説明しておくわね。

サツキ

恐れ入ります。

サツキ

あらためまして、この度は当館にご宿泊いただき、本当にありがとうございます。
当館の女将を務める「宮本皐月(サツキ)」と申します。

ヴェロニカ

女将、昨日、ここのお風呂に入らせていただいたんだけど、すごく気持ちよかったわ。

ヴェロニカはそう言いながら、ムツミに目配せをした。

ムツミ

(・・・!
げ・・・風呂を覗いたこと、バレちゃってる・・・!?
い・・・いやいやいやいや、あれは不可抗力ってやつで・・・)

サツキ

ありがとうございます!
そう言っていただけて、とってもうれしいです!

そのとき、女将の言葉を遮るかのように、ボーンが言葉を発した。

ボーン

この旅館のサイトを管理しているのは誰だ?

サツキ

え・・・あ、うちのホームページのことでしょうか?
以前は外部の制作会社に依頼をしていたのですが、今はそこにいる、私の弟が更新を担当しています。

ヴェロニカ

あら、そちらの方は女将の弟さんだったのね。

サツキ

ムツミ、ご挨拶しなさい。

ムツミ

お、おう。

え、えと・・・。
みやび屋の旦那の宮本睦美と申します。
姉のサツキと一緒にこの旅館を切り盛りしています。

ヴェロニカ

睦美に皐月・・・。
旧暦の月を表しているのかしら。
四季を感じる素敵な名前ね。

サツキ

ありがとうございます・・・!
実はうちの両親、自分たちの子供の名前には、この旅館「みやび屋」の名にちなんだ雅(みやび)な名前を付けようと決めていたみたいで。

ムツミ

へー!そうだったのか!

サツキ

ちょっと!ムツミ!
あなた知らなかったの?

ヴェロニカ

ふふふ。
そうなのね。

ヴェロニカ

それにしても、あなたたち、経営者にしてはとても若いわよね。
先代の旦那さんや女将さんは、この旅館を見に来ることはあるの?

サツキ

あ、先代は・・・私たちの両親は・・・。
半年前に事故で亡くなったんです・・・。

ヴェロニカ

えっ・・・!?

ボーン

・・・。

サツキ

なので、今は私たちがこの旅館を引き継いでいます。

ヴェロニカ

そうだったのね・・・。
ごめんなさいね、変なことを聞いてしまって。

サツキ

いえいえ!
大丈夫です。
むしろ、こんな若いふたりでご不安を感じさせてしまって申し訳ございません。

もし、当館のご宿泊中に何かお気付きの点などございましたら、何でも結構ですので、ぜひ、ご指摘いただけるとうれしく思います。

ボーン

・・・では、早速指摘させてもらおう。
この旅館のサイトは危ういな。

サツキ

えっ・・・!?

ムツミ

ちょ、ちょっと、あんた!
な、なんだよ、いきなり・・・!

サツキ

ムツミ!この方はお客様よ。

ヴェロニカ

実はね、この旅館のサイト、さっき、ボーンと一緒に見ていたの。
今、サイトの至るところに「栃木 温泉」という言葉が入っているようだけれど、これは何か理由があるの?

ムツミ

あ、あれは、SEOの効果を上げるために足した言葉だけど・・・。

ボーン

この旅館のサイトを「栃木 温泉」というキーワードで上位表示させたいのか?

ムツミ

あ、ああ。
そのとおりさ。
(なんだ、このオッサン、SEOに詳しいのか?)

ボーン

このサイトは、その検索ワードでは上位表示できん。

ムツミ

・・・!?

サツキ

えっ・・・!?

ムツミ

な、なぜだよ!?
なぜ、そんなことが言えるんだよ!?

ていうか、あんた、そもそも何者なんだ・・・?

サツキ

こ、こらっ!ムツミ・・・!

ヴェロニカ

ふふふ。

彼の名は「ボーン・片桐」。
世界最強のWebマーケッターよ。

ムツミ

せ、世界最強の・・・!?

サツキ

Webマーケッター・・・!?

ヴェロニカ

・・・ねえ、ボーン。
この旅館、料理も美味しいし、温泉も素敵なのよ。
これからしばらくお世話になることだし、少しだけサイト改善のアドバイスをしてあげてくれない?

ボーン

・・・。

ムツミ

い、いや、アドバイスって言われても・・・。
とくに必要ねーし・・・。

ヴェロニカ

坊や、ボーンの正規のコンサルティング料は1時間5万ドルなのよ。
もし、ボーンがアドバイスをくれるのなら、試しに聞いてみたら?

ムツミ

ご、5万ドル・・・?
(はあぁぁぁぁ!?日本円で、ご、500万円かよ!!)

ボーン

今日から世話になる宿だ。
いいだろう。
チップ代わりに、なぜ、この旅館のサイトが上位表示できないのかを教えてやろう。

ムツミ

・・・。

ボーン

・・・デスクはあるか?

ボーンがサツキに尋ねた。

サツキ

あっ・・・え、えっと・・・。

ヴェロニカ

ボーンのノートPCを開くために、デスクかテーブルをお借りできるかしら?

サツキ

ノートPC・・・?

は、はい!
事務室のデスクでよろしければ・・・。

ボーン

問題ない。

サツキはボーンとヴェロニカを事務室へ案内するため、歩き始めた。

サツキ

あ、ムツミ!
片桐様のお荷物をお持ちして!

ムツミ

あ、ああ。

オッサン・・・じゃなかった、片桐様。
このアタッシュケース、運ばせてもらいますよ。

ムツミ

!!!???

ムツミ

(な、なんだ、このケース・・・!?
むちゃくちゃ重てえ・・・!
一体何が入ってるんだ・・・!?)

ケース

ヴェロニカ

大丈夫?
重いでしょ、そのケース。
運べるかしら?

ムツミ

ぐ・・・ぐぎぎぎぎぎ、だ、大丈夫ですよ・・・!

ヴェロニカ

くれぐれも足の上には落とさないようにね。
そのケース、50kg近くあるから。

ムツミ

ご・・・50kg!!?
(このケースの中には何が入ってんだ・・・?)

ボーン

運ぶのが大変なら、変わってやってもいいぞ。

ムツミ

い、いやいや、なんのこれしき・・・!
ぐ・・・ぐぎぎぎぎぎ・・・。

サツキはボーンとヴェロニカを事務室へ案内した。
ボーンたちが入室した後、ムツミもボーンのアタッシュケースを持って入ってきた。

ヴェロニカ

ここが事務室ね。

事務室

サツキ

散らかっていてすいません・・・!
普段お客様を入れることのない部屋なので、掃除が行き届いておらず、お恥ずかしい限りです。

あ、よろしければ、こちらのデスクをお使いいただけますか?

ボーン

・・・分かった。

ムツミ

オ・・・オッサン・・・じゃなかった、片桐さん、ア、アタッシュケース、こ、ここに置かせていただきますよ・・・!

ドンッ

ムツミ

はあっ、はあっ・・・。
(ほんと、何が入ってるんだよ、このケース・・・)

ボーン

・・・始めるぞ。

ボーンはそう言うと、アタッシュケースをデスクの上に置き、そのケースを開いた。

ズシンッ

中から現れたのは、真っ黒なノートPCだった。

ノートPCを立ち上げるボーン

サツキ

(えっ・・・!?
あのケースの中にはノートPCしか入っていない・・・!?)

ムツミ

!?
(てことは、あのケースがめちゃくちゃ重いってことなのか?
で、でも、今、ノートPCを置いたときにズシンって音がしたぞ・・・)

ヴェロニカ

ふたりとも、ボーンのノートPCが気になる?

サツキ

え、えっと・・・。

ヴェロニカ

ボーンのノートPCはね。
39.9kgあるの。

サツキ ムツミ

さ・・・39.9kg!!?

ムツミ

そ・・・そんなノートPC、アキバでも見たことねえ・・・!
ど、どこに売ってんだよ・・・!?

ヴェロニカ

ふふふ。
ボーンのノートPCは特注なの。
あるメーカーが、彼のためだけに作っているのよ。

サツキ

特注のノートパソコン・・・!

ヴェロニカ

突飛な質問かもしれないけど、もし、あなたたちがノートPCを使っているとして、ノートPCのセキュリティを守るために考えられる“最も強固なセキュリティ”って何かわかる?

サツキ

セキュリティ・・・?

ヴェロニカ

そう。

ムツミ

ウイルス対策ソフトを入れていても、ノートPC本体を盗まれたらどうしようもないし・・・。

えっ、まさか・・・!?

ヴェロニカ

そう、最強のセキュリティとは、ノートPCを“物理的に重くすること”よ。

サツキ ムツミ

!!!!!

ヴェロニカ

彼のノートPCの表面は鉛でコーティングされている。
でも、それはカモフラージュ。
あのノートPCの筐体は“金”でできているわ。

ボーン

重金属である金の密度は19.32。
そこから算出した重量は39.9kgだ。

ムツミ

!!!

サツキ

40kgのノートパソコン・・・。
私、生まれて初めて見ました・・・。

ボーン

・・・40kgではない。
「39.9kg」だ。

ムツミ

(なんで0.1kgの差にこだわってんだ・・・?)

やがて、OSの起動音とともに、ボーンのノートPCの画面は白い光を点った。

ボーン

お前はおそらく、SEOにはキーワードの出現頻度が大切だと考えているのだろう。

ムツミ

あ、ああ・・・。
5%前後がいいって聞いたぜ。

ボーン

そんな化石のような知識は忘れろ。

ムツミ

か、化石・・・!?

ボーン

この画面を見ておけ。
これからおまえたちに、なぜ、この旅館のサイトが「栃木 温泉」で上位表示できないかの理由を教えてやろう。

ボーン

はああああああああ・・・!!!

ヴェロニカ

くっ、来るわ!!

インテントサーチ!!

バシッ!!!

ボーンがエンターキーを叩いた瞬間、激しい風が巻き起こった。

サツキ

きゃあっ!!

ムツミ

くっ・・・!
な、なんだ、今の風は・・・!

ヴェロニカ

心配しないで。
彼のキータッチによる風圧だから。

ムツミ

キ、キータッチによる風圧・・・!?

ボーン

この画面を見てみろ。

「栃木 温泉」で検索した検索結果画面

サツキ

こ、これは・・・!?

ムツミ

ただの検索結果じゃねーか?
この画面がどうかしたっていうのかよ?

ボーン

検索結果をよく見てみろ。

ムツミ

・・・!?

検索結果。 1位は「旅休トラベル」の栃木県の温泉一覧ページ

ムツミ

「旅休トラベル」や「温泉マニア.com」、「ららん.net」・・・。

ボーン

・・・何か気付くことはあるか?

サツキ

!?
あれっ!?旅館をまとめて紹介しているページばかりで、旅館単独のホームページが表示されていないわ・・・。

ムツミ

な、なんでだよ!?
なんで、こんな検索結果になってんだ!?

ははあ・・・。
あんたのブラウザ、パーソナライズされた検索結果が返ってんだな?
「シークレットモード」にして、もう一回検索してみてくれよ。

説明しよう!

「シークレットモード」とは、検索時にパーソナライズドされた検索結果を表示しないための一時的な設定である。

“パーソナライズド”された検索結果とは、たとえば、Googleのアカウントを使ってログインしている際、個人の行動履歴などに応じてカスタムされた検索結果のことである。

この“パーソナライズド”された検索結果によっては、同じキーワードで検索したとしても、検索結果の情報がユーザーごとに異なってしまう。

この“パーソナライズド”された検索結果を表示させないためには、Googleのアカウントからログアウトした上で、Chromeなどのブラウザの「プライベートブラウジング(シークレットモード)」を使うとよい。

ヴェロニカ

よく見て。
ボーンのブラウザはシークレットモードになってるわ。

ムツミ

えっ・・・!?

ムツミ

じゃ、じゃあ、なんでだよ・・・!
なんでこんな検索結果になってんだよ!?

ボーン

「検索意図」の影響だ。

ムツミ

検索・・・!?

サツキ

意図・・・?

ボーン

・・・ヴェロニカ、説明してやってくれ。

ヴェロニカ

OK、ボーン。

■検索意図と検索結果の関係

今の検索エンジンはね、検索エンジンを使うユーザーの満足度を高めるために、ユーザーがどういう「意図」をもって検索しているか?という「文脈」を推測して、検索結果を返しているの。

たとえば、「栃木 温泉」で検索する人たちの多くは、栃木の特定の温泉(旅館)を探そうとしているわけではなく、“栃木にはどんな温泉(旅館)があるのか?”という情報を幅広く知りたがっているわ。

だから、「栃木 温泉」の検索結果は、栃木にある温泉(旅館)をまとめて紹介したページや、クチコミサイトや比較サイト内にあるページが上位表示されやすいってわけ。

だって、栃木にある特定の温泉(旅館)の情報を知りたいのなら、普通は「栃木 温泉」などの広いキーワードで検索しないでしょ?
「みやび屋」の情報を知りたいのなら、「栃木 みやび屋」「みやび屋 温泉」といった店舗名(ブランド名)を含むキーワードで検索するはずよ。

そういうことを考えれば、「栃木 温泉」で検索した際の検索結果が、旅館をまとめて紹介しているページばかりになる理由も分かるでしょ?

ちなみに、Googleは自社の経営理念のページで、こんなことを語ってるわ。

「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」ってね。

ムツミ

ユーザーに焦点を絞れば・・・

サツキ

他のものはみな後からついてくる・・・!?

ヴェロニカ

そう。
SEOを成功させたいのなら、検索エンジンを使うユーザーの意図(文脈)を考えたコンテンツが必要ってことよ。

ムツミ

検索エンジンを使うユーザーの意図を考えたコンテンツ・・・!?

サツキ

そ、そういえば、私も以前、箱根へ旅行しようとした際、「箱根 旅館」と検索して、箱根の旅館情報がまとまっているページばかりを見てました・・・。

ボーン

今のSEOは“検索意図”がすべてだ。

サツキ ムツミ

“検索意図”がすべて・・・!

ムツミ

つ、つまり、うちのサイトが「栃木 温泉」で上位表示するためには、「栃木 温泉」で検索するユーザーの意図に合ったコンテンツが要るってことか・・・。

サツキ

ムツミ、うちの旅館のホームページに、そんなコンテンツあったかしら・・・?

ムツミ

うーん・・・。
・・・なかったかも・・・。

ボーン

ないなら作れ。

サツキ

作る・・・?

ムツミ

つ、作れっていきなり言われてもだな・・・。

ボーン

カンタンだ。
その検索ワードの裏に隠された意図を推測し、その意図に合ったコンテンツを作ればいい。

ムツミ

“検索ワードの裏に隠された意図を推測する”・・・!?

ボーン

・・・今日から世話になる宿だ。
特別にヒントを教えてやろう。

ヴェロニカ

(ボーン、もしかして、ここであの技を・・・!?)

ヴェロニカ

・・・!
ふたりとも、ボーンから離れたほうがいいわよ!

サツキ ムツミ

へ!?

ボーン

はあああああああああ・・・!!!

マインドマッピング!

高速で検索エンジンの検索結果をマインドマップに書き込むボーン。風圧を踏ん張ろうとする、サツキとムツミ、ヴェロニカ。

ムツミ

くっ・・・!!
またしても風圧が・・・!!

サツキ

か、片桐さんは今、何をしているの・・・!?

ヴェロニカ

ボーンは今、ブラウザに表示した検索結果を高速で切り替えながら、その検索結果に表示されたコンテンツ情報をマインドマップにまとめているの・・・!

ムツミ

マインドマップ・・・!?

ヴェロニカ

情報や思考を一枚の地図(マップ)のようにまとめたものよ・・・!

ボーン

はあああああああああああ!!!

ムツミ

す、すごいタイピングスピードだ・・・!!

サツキ

ま、まぶしい・・・!!

ムツミ

この光は・・・!!?

ヴェロニカ

ボーンのタイピングスピードがあまりにも早すぎて、グラフィックボードの描画スピードが追いついていないのよ・・・!

ヴェロニカ

ふたりとも、目を瞑って!!
光で目がやられるわよ!!

ムツミ

くっ!!!

サツキ

・・・!!!

ボーン

・・・マインドマッピング、コンプリート。

ムツミ

・・・お・・・終わったのか・・・?

サツキ

(い、今の風圧、うちの旅館の柱、大丈夫かな・・・)

ボーン

女将。

サツキ

は、はい・・・!!

ボーン

このUSBメモリの中に、今のマインドマップのPDFを保存してある。
プリントアウトしてくれ。

サツキ

わ、わかりました!



サツキ

片桐さん、印刷しました!

ボーン

よし、ふたりともそのマインドマップに目を通せ。

ムツミ

こ、これは・・・。

ボーン

このマインドマップのとおりに、コンテンツを作ってみるんだな。

「栃木 温泉」で上位表示するためのコンテンツプランニング

このマインドマップのPDFがダウンロードできるぞ!

ムツミ

えーと、なになに・・・。
“栃木県内の温泉を探しているユーザーに対して、「栃木にはこんな温泉や温泉旅館がある」という情報を、栃木県で実際に旅館を営んでいるプロの視点で、できるだけ分かりやすく網羅的に提供するコンテンツ”。

ムツミ

・・・。
な、なんかややこしいんだけど、そんなコンテンツで本当に上位表示できるのか・・・?

ボーン

ああ、そうだ。
少なくとも、キーワードの出現率にこだわる不自然なコンテンツよりはな。

ムツミ

(ム、ムカッ)

ボーン

ユーザーは、自分が知りたい情報をできるだけ迅速かつ正確に収集しようとする。
その上で重要なのが、情報の「網羅性」「信頼性」「分かりやすさ」という3つの要素だ。

ムツミ

「網羅性」「信頼性」「分かりやすさ」・・・!?

ボーン

ユーザーは検索したいわけではない。
自分の質問に対する答えが欲しいだけだ。

検索エンジンを「質問する場所」と考え、自分だったらどんな答えが欲しいかを考えてみろ。

ムツミ

自分だったら・・・。

サツキ

どんな答えが欲しいかを考える・・・!?

ボーン

そうだ。
たとえば、情報を網羅的にまとめれば、ユーザーは“情報(答え)を探す手間”を省くことができる。
それはユーザーにとっては喜ばしいことだろう。

サツキ

た、たしかに、情報が一箇所にまとめられていると便利です。

ボーン

ただし、情報を網羅的にまとめるだけなら、誰にでもできる。
それでは他社と差別化ができん。

だから、みやび屋なりの“プロの視点”を大切にしたコンテンツにしろ。

ムツミ

みやび屋なりの・・・。

サツキ

“プロの視点”・・・!

ヴェロニカ

そうよ。
あなたたちは実際に旅館を営んでいる、いわば“旅館のプロ”。
普通に考えて、素人の視点で書かれたものよりも、プロの視点で書かれたもののほうが信頼できるでしょ?

ムツミ

な、なるほど・・・!

ボーン

そして、そのコンテンツは、“分かりやすさ”に気を配れ。

ムツミ

分かりやすさ・・・!?

ヴェロニカ

どんなに優れたコンテンツも、分かりにくければ読んでもらえないってこと。
分かりにくい記事よりも、分かりやすい記事のほうが、読みたくなるでしょ?

ムツミ

そ、それはそうなんだけど・・・。
(“分かりやすい”記事って、どうやって書くんだ・・・?)

ムツミ

と、とにかく、「網羅性」「信頼性」「分かりやすさ」、この3つを意識してコンテンツを作ればいいんだな・・・!?

ボーン

そうだ。
この旅館のサイトのドメインなら、早ければ2週間くらいで上位表示できるかもしれんな。

ムツミ

に、2週間!?
そんなに早く上位表示できるのか!?

サツキ

あ、あの・・・。
すいません・・・。

うち以外の温泉旅館のことをたくさん紹介してしまうと、うちへお客さんが来て下さるかがちょっと心配です・・・。

ボーン

安心しろ。
このマインドマップには、成約(コンバージョン)につなげるためのヒントも入れておいた。

サツキ

成約につなげるためのヒント・・・?

ヴェロニカ

(さすが、ボーンね。
ただ、そのヒントをどこまで活かせるかどうかは、そこにいる弟さんの“ライティング力”に委ねられそうだけど)

ムツミ

よ、よし・・・。
ここに書かれているとおりにコンテンツを作れば本当に上位表示できるってんなら、今晩徹夜してでも、コンテンツを作ってやるぜ!

サツキ

ムツミ、そんな無茶をして大丈夫?

ムツミ

大丈夫さ。
アネキにばかり苦労かけてた分、オレにもがんばらせてくれよ。

サツキ

ムツミ・・・。

ムツミ

(・・・なーんつって、本当はな、こんなコンテンツで上位表示できるのかを試してやるんだ。
このオッサン、さっきからオレのことをバカにしやがって。
2週間でなんて上位表示できるわけねーっつーの)



そして2週間後

朝

サツキ

ムツミ、おはよう。

ムツミ

・・・。

サツキ

どうしたの?
ムツミ?

ムツミ

ア、アネキ、この検索結果を見てみろよ・・・。

サツキ

えっ?

あっ、ああっ・・・!!

10位にランクイン!

ムツミ

(おいおい、ウソだろ・・・?マジで上位表示してるよ・・・)

ヴェロニカ

おはよう。

サツキ

あ、ヴェロニカさん、おはようございます!

ヴェロニカ

あら?どうしたの?
なんだか、うれしそうね。

サツキ

さっき検索結果を見たら、ボーンさんが仰ったように、「栃木 温泉」のキーワードでうちのサイトが10位に表示されていたんです!

ヴェロニカ

あら、そうなのね。
それはよかったわ。

喜ぶサツキと、バツが悪い表情をしているムツミ

ヴェロニカ

予約の件数は増えたかしら?

サツキ

あっ、予約の件数はこれから確認するところです!

ヴェロニカ

(ふふふ。このコンテンツ、ボーンならどう評価するかしらね)

サツキ

それにしても、ボーンさんって、本当にすごい方なんですね!
・・・一体、どういう方なんですか?

ヴェロニカ

あら、言わなかったかしら?

ボーンはね。
「世界最強のWebマーケッター」よ。



タオパイのビル

ヤンタオ(シルエット)

・・・なんだ、このコンテンツは?

みやび屋・・・だと・・・!?

みやび屋のサイトに追加されたコンテンツ

ヤンタオ(シルエット)

おい、エンドウ、これはどういうことアルか?

遠藤

・・・!

こ、これは・・・!?

お、おい、井上、どうなっているんだ!?
我らのメディアはSEOに強いんじゃなかったのか!?

井上

しょ、少々お待ちください!

む、むむむ。
これは一体・・・。

ヤンタオ

・・・ワタシはオマエタチに検索結果からみやび屋を締め出せと言っておいたはずアル。

遠藤

も、申し訳ございません!!
至急原因を調査いたします・・・!!

こ、こら、井上!

井上

は、ははーっ!!

ヤンタオ

・・・オマエタチの会社に、ワタシが何のために発注しているか忘れたわけではないアルな?

遠藤

は、はい!!
も、勿論でございます・・・!

ヤンタオ

みやび屋のコンテンツが上位表示した理由を早急に調べたのち、ワタシに報告するアル。

遠藤 井上

は、はい!!
承知いたしました!!

ヤンタオ

・・・みやび屋の若女将。
どうしても、ワタシに反抗するつもりアルか・・・。

ヤンタオ

フフフ・・・。
おもしろいアルね・・・。

不気味に微笑むヤン・タオと、その後ろで立っている遠藤と井上



夕暮れの空

ヴェロニカ

ボーン、ダメだわ。
この一帯から信号が発信されているはずなのに、まだ“アレ”が見つからないの。

ボーン

・・・そうか。

ヴェロニカ

やみくもに探すよりも、なぜ、“アレ”がここに移動したのか、その理由を推測したほうが早く発見できるのかも。

ボーン

・・・。

ヴェロニカ

ただ、17日前に、都内からこの旅館の付近に“アレ”が動いたことは確かなの。
でも、“アレ”はわずか100gの小さな物体、見つけるのには苦労しそうね。

ボーン

・・・そうだな。

ボーン

(まさか、オレのマシンにあんなものが隠されていたとはな・・・)

爆発を回想するボーン

ボーン

ヴェロニカ、どうやら探索は長引きそうだな。
宿泊を延長しておいてくれ。

ヴェロニカ

OK、ボーン。

佇むボーンとヴェロニカ

次回予告

須原の温泉旅館「みやび屋」に現れた、謎のWebマーケッター「ボーン・片桐」。

彼とヴェロニカは、なぜ、みやび屋に訪れたのか?
そして、彼らが探す“あるモノ”とは何なのか?

みやび屋に忍び寄る、怪しき者たちの影。
今、みやび屋を巡る物語が、静かに、そして残酷に幕を上げる。

次回、沈黙のWebライティング第2話。
「解き放たれたUSP」

今夜も俺のタイピングが加速するッ・・・!!